目次
口絵
季節の花〔188〕-11月の花 サルビア‘ラブ&ウィッシーズ’,ニトベギク,ツタ(紅葉),オオミムラサキコケモモ(実),ヘッカラン,チョウジギク
元 島根大学 生物資源科学部
細木高志
論説・総説・資料・実用
レタスの苦味の発現および抑制に関する研究
園芸研究家
三浦周行
清酒原料米の酒造適性予測
独立行政法人酒類総合研究所
奥田将生
アクアポニックス技術―その可能性と展望―
琉球大学研究共創機構
寺本さゆり
琉球大学農学部
諏訪竜一
改正食料・農業・農村基本法による食料安全保障の確保について
岩手大学 人文社会科学部 教授
横山英信
昆虫病原性糸状菌ボーベリア・バシアーナ製剤によるナスとインゲンの病害虫の同時防除
奈良県農業研究開発センター 環境科長
井村岳男
微生物(細菌)農薬の残留分析:質量分析を用いたプロテオタイピングによる残留微生物識別・定量の可能性
名城大学農学部
田村廣人
二番茶における高品質てん茶栽培のためのアルミ蒸着資材の直掛け被覆方法
福岡県農林水産部経営技術支援課 専門技術指導員
小熊光輝
イネ茎葉部におけるデンプン分解過程とその制御
名城大学農学部
平野達也
黒川裕介
アブラナ科植物黒斑細菌病の防除に向けて
岡山大学 学術研究院環境生命自然科学学域
坂田七海
筑波大学 生命環境系
石賀康博
連載記事
ブタの生殖バイオテクノロジー〔15〕
膵島異種移植(islet xenotransplantation)
信州大学名誉教授
辻井弘忠
人工降雨・降雪のための液体炭酸法〔5〕
第5章 液体炭酸法による最近の実験事例(2012年2月,3月,12月,2013年12月)
九州大学 名誉教授
真木太一
農界ニュース
説明
〔巻頭記事〕論説・総説・資料・実用
清酒原料米の酒造適性予測
清酒は、原料に米と水を用いて造られる日本の伝統的なお酒である。原料の米は国産で、醸造用品種および食用うるち米品種が用いられる。統計資料から計算すると、清酒醸造に使用される米の量は、国内で収穫される水稲の約2.7%に相当する。
清酒原料米は、香味の調和を図るため、ご飯で食べるときに比べて高度に精米される(玄米を外側から削られる)。精米の程度は、ご飯では米粒の外側から8%~10%が削られるのに対し、清酒醸造(令和5酒造年度全体平均)では外側から38.6%(100%-38.6%=精米歩合61.4%)が削られる。精米の程度によって清酒の香味が大きく変わるため、濃醇タイプの清酒にはあまり削らない米が、香り高く軽快なタイプには大きく削った米が使われる。原料米からできる清酒の数量は統計資料から計算すると、アルコール度数15%の清酒は玄米1kgから全体平均値では約2.1Lできるが、米を大きく削る純米吟醸酒では約1.1Lしかできない。このように、原料米の経費が製造コストの大半を占めている。そのため、品質を保ちつつ原料米の利用率を上げることが重要である。
製造工程で重視されるものの1つが、原料米の溶解性(≒米の分解・消化のされやすさ)に関する酒造適性である。仕込前に溶解性を把握できれば、溶解性に応じた製造工程の管理が可能になり目標の酒質への誘導が容易になる。そのため、原料米の溶解性に関する酒造適性を簡易に把握する方法の開発が進められてきた。
本稿では、気象データからの原料米の酒造適性予測についての研究成果を紹介する。まず、原料米の溶解性や清酒香気成分に及ぼすデンプン構造およびイネ登熟期の気象条件の影響を述べ、つぎに気象データからの原料米の溶解性に関する酒造適性予測について述べる。
独立行政法人酒類総合研究所
奥田将生
レビュー
レビューはまだありません。