新編 熱物性ハンドブック

19,800 (税込)

本書は1990年に初版が出版されて以来、日本熱物性学会の活動を代表する成果として、熱物性データを必要とする多くの読者に活用されてきました。ここにその後の科学技術の進歩とデータ情報の充実に対応した全面改著の新版が完成いたしました。  熱物性値の解説や定義、研削、入手法、測定法など、熱物性に関する信頼性の高い情報を体系化した待望の新版を広い分野の方々にお勧めいたします。

在庫あり

カテゴリー: ,
判型 B5判
第1版
ページ数 776
発行日 2023/12/20
初版発行日 2008/03/25
ISBN-13 978-4-8425-0426-1 C3053
ISBN-10 4-8425-0426-9
JAN 1923053180002
図書館: カーリル
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目次

A編 基本事項
A.1 利用の手引き
1.1 このハンドブックの全体構成
1.2 索引と換算表の使い方
1.3 利用上の参考事項
1.4 記号
A.2 物性値の定義と単位
2.1 単位系(2.1.1 量と単位:2.1.2 国際単位系の歩み:2.1.3 国際単位系の概要:2.1.4 SI単位の使い方:2.1.5 量の値の表現方法と四則演算:2.1.6 測定の不確かさに関する表現方法:2.1.7 無次元量の値の記述方法)
2.2 物性値の定義
2.3 単位の換算
B編 基本的物質の熱物性
B.1 元素
1.1 周期律表
1.2 基本物性
B.2 固体
2.1 純金属の熱物性値
2.2 金属の熱伝導(2.2.1 純金属の熱伝導:2.2.2 合金の熱伝導:2.2.3 金属薄膜の熱伝導)
2.3 非金属の熱伝導率・熱拡散率(2.3.1 非金属の熱伝導率:2.3.2 フォノン熱伝導率)
2.4 熱容量
2.5 熱膨張率(2.5.1 熱膨張率の定義:2.5.2 熱力学的考察;熱膨張率の低温における振る舞い:2.5.3 格子振動の非調和項(とグリューナイゼンの関係):2.5.4 代表的な固体材料の室温における線膨張率値
B.3 流体(標準流体)
B.4 流体(広範囲表)
4.1 ヘリウムの熱物性値
4.2 アルゴンの熱物性値
4.3 水素の熱物性値
4.4 窒素の熱物性値
4.5 酸素の熱物性値
4.6 空気の熱物性値
4.7 一酸化炭素の熱物性値
4.8 二酸化炭素の熱物性値
4.9 水・水蒸気の熱物性値
4.10 重水の熱物性値
4.11 二酸化硫黄の熱物性値
4.12 六フッ化硫黄の熱物性値
4.13 メタンの熱物性値
4.14 エチレンの熱物性値
4.15 エタンの熱物性値
4.16 プロピレンの熱物性値
4.17 プロパンの熱物性値
4.18 n-ブタンの熱物性値
4.19 イソブタンの熱物性値
4.20 トルエンの熱物性値
4.21 メタノールの熱物性値
4.22 エタノールの熱物性値
4.23 湿り空気の熱物性値
B.5 高温融体
5.1 液体金属の熱物性値
5.2 溶融塩の熱物性値(5.2.1 はじめに:5.2.2 測定方法および測定値の確かさ:5.2.3 溶融塩の熱物性値)
5.3 溶融半導体の熱物性値
C編 応用分野別の熱物性
C.1 エネルギー
1.1 熱媒体および顕熱蓄熱材料の熱物性値(1.1.1 有機熱媒体:1.1.2 溶融塩(硝酸塩):1.1.3 液体金属:1.1.4 固体顕熱蓄熱材料)
1.2 蓄熱材料の熱物性値(1.2.1 低温用潜熱蓄熱材料:1.2.2 高温用潜熱蓄熱材料)
1.3 リチウム電池および燃料電池材料の熱物性値(1.3.1 リチウム二次電池材料の熱物性値:1.3.2 燃料電池材料の熱物性値)
1.4 熱電材料の熱物性値
1.5 水素貯蔵材料の熱物性値
1.6 太陽電池用材料の熱物性値(1.6.1 アモルファスシリコンの密度:1.6.2 太陽電池用カルコパイライト型化合物半導体の熱物性値)
1.7 原子力材料の熱物性値(1.7.1 核分裂:1.7.2 核融合:1.7.3 核燃料サイクル)
1.8 耐火物および高温断熱材の熱物性値(1.8.1 耐火物の特徴:1.8.2 主要な耐火物品種:1.8.3 耐火物の熱伝導率測定方法:1.8.4 熱伝導率、比熱容量:1.8.5 熱拡散率)
C.2 化学工学
2.1 混合流体の熱物性値(2.1.1 希薄混合気体:2.1.2 混合液体と溶液:2.1.3 高密度流体:2.1.4 潤滑油:2.1.5 相平衡性質)
2.2 石油の熱物性値(2.2.1 キャラクタリゼーション:2.2.2. 蒸気圧:2.2.3 密度:2.2.4 比熱:2.2.5 エンタルピー:2.2.6 粘性率:2.2.7 表面張力:2.2.8 熱伝導率:2.2.9 発熱量)
2.3 石炭の熱物性値(2.3.1 石炭:2.3.2 液化:2.3.3 ガス化)
2.4 粉粒体の熱物性値(2.4.1 まえがき:2.4.2 空隙率ほか:2.4.3 伝熱のモデルと解析:2.4.4 推定の方法:2.4.5 データ集)
2.5 多孔質物質の熱物性値(2.5.1 多孔質物質:2.5.2 多孔質物質の密度と比熱:2.5.3 分散空孔を含む多孔質物質の有効熱伝導率:2.5.4 焼結または固結型多孔質物質の有効熱伝導率:2.5.5 高空間率多孔質物質および繊維型多孔質物質の有効熱伝導率:2.5.6 自然対流が生じる多孔質物質内の伝熱)
2.6 燃焼(2.6.1 燃焼ガス:2.6.2 放射物性)
C.3 金属材料・冶金
3.1 純金属の熱物性値
3.2 合金の熱物性値(3.2.1 鋳鉄:3.2.2. 炭素鋼および低合金鋼:3.2.3 ステンレス鋼:3.2.4 その他の合金鋼:3.2.5 アルミニウム合金:3.2.6 金属酸化物単結晶、アモルファス金属およびガラス類)
3.3 液体金属の熱物性値
3.4 溶融スラグおよびシリケートの熱物性値(3.4.1 密度:3.4.2 粘度:3.4.3 溶融スラグの表面張力:3.4.4 比熱容量・融解熱:3.4.5 熱伝導率:3.4.6 光学的性質)
C.4 建築材料
4.1 窯業系材料(4.1.1 セメント・モルタル・コンクリート:4.1.2 ALC4.1.3 けい酸カルシウム板:4.1.4 せっこうボード:4.1.5 窯業系屋根葺き材料)
4.2 木質系材料(4.2.1 木材:4.2.2 合板:4.2.3 パーティクルボード:4.2.4 繊維板:4.2.5 木質セメント板)
4.3 繊維系材料(4.3.1 ロックウール:4.3.2 グラスウール:4.3.3 セルロースファイバー:4.3.4 セラミックファイバー)
4.4 発泡系材料(4.4.1 硬質ウレタンフォーム:4.4.2 ポリスチレンフォーム:4.4.3 ポリエチレンフォーム:4.4.4 フェノールフォーム:4.4.5 その他の発泡系材料:4.4.6 れんが類)
4.5 建築材料の熱伝導率と作用因子(4.5.1 熱性能の宣言値および設計値:4.5.2 硬質ウレタンフォームの気泡内ガスのエージングと熱伝導率:4.5.3 含水と熱伝導率)
4.6 保温・断熱材の規格値(4.6.1人造鉱物繊維保温材(JIS A 9504):4.6.2 無機多孔質保温材(JIS A 9510):4.6.3 発泡プラスチック保温材(JIS A 9511):4.6.4 セラミックファイバーブランケット(JIS R 3311))
C.5 エレクトロニクス
5.1 光・エレクトロニクス用結晶の熱物性値
5.2 Siの熱物性値
5.3 GaAsの熱物性値
5.4 ・-・、・-・、多元系化合物半導体の熱物性値
5.5 配線用素材の物性
5.6 封止用プラスチックス系素材の物性
5.7 絶縁材の熱物性値
5.8 半導体プロセスに多用される物質の蒸気圧
5.9 超伝導材料の熱物性値
C.6 セラミックス・ガラス
6.1融点および比熱
6.2 熱伝導率および熱拡散率
6.3 セラミックスの熱膨張(6.3.1 熱膨張係数の温度変化と異方性:6.3.2 多結晶集合体および複合体の熱膨張:6.3.3 熱膨張のデータ)
6.4ふく射性質(6.4.1‘白い’セラミックス:6.4.2 ‘黒い’セラミックスと‘金属的な’セラミックス:6.4.3内部構造と温度への依存性:6.4.4 全放射率)
6.5 代表的なセラミックスの熱物性値
6.6 ガラス(6.6.1 ガラスの熱伝導率:6.6.2 ガラスの熱膨張率:6.6.3 ガラス材料の熱物性値)
6.7 炭素材料(6.7.1 黒鉛材料:6.7.2 ダイヤモンド:6.7.3 フラーレン・カーボンナノチューブ)
C.7 高分子材料
7.1 樹脂固体のデータ利用上の留意点(7.1.1 高分子(合成樹脂)の分類と種類:7.1.2 熱物性値と文献:7.1.3 熱物性値に影響する要因:7.1.4 樹脂のP-V(H)-T関係:7.1.5 新規樹脂)
7.2 熱可塑性樹脂
7.3 熱硬化性樹脂
7.4 エンジニアリングプラスチック
7.5 ゴムの熱物性値(7.5.1 密度:7.5.2 熱膨張率:7.5.3 比熱容量:7.5.4 熱伝導率:7.5.5 転移温度)
7.6 複合材料およびフォームの熱物性値(7.6.1 はじめに:7.6.2 密度:7.6.3 熱膨張係数:7.6.4 比熱容量:7.6.5 熱伝導率)
7.7 高分子融体のPVT性質
7.8 高分子液体、インキおよび塗料の非ニュートン粘度
C.8 新材料
8.1 半導体および周辺材料(8.1.1 層間絶縁膜材料)
8.2 光エレクトロニクス関連材料:光記録材料(8.2.1 光記録材料とは:8.2.2 Ge2Sb2Te5系について:8.2.3 熱拡散率・熱伝導率・比熱容量:8.2.4 光学定数とその温度依存性:8.2.5 界面熱抵抗)
8.3 カーボン系材料(8.3.1 カーボンナノチューブ:8.3.2 フラーレン:8.3.3 ダイヤモンド薄膜)
C.9 航空・宇宙
9.1 航空機機体(9.1.1構造・材料:9.1.2材料の熱物性値)
9.2 航空機エンジン(9.2.1 エンジン構造・材料:9.2.2 材料の熱物性値:9.2.3 燃料:9.2.4 潤滑油)
9.3 ロケット(9.3.1 概要:9.3.2 構造および材料)
9.4 ロケットエンジン(9.4.1 概要:9.4.2 構造および材料:9.4.3 断熱材料:9.4.4 推進薬)
9.5 宇宙機(9.5.1概要:9.5.2 本体部:9.5.3 熱制御技術:9.5.4 低温装置の熱設計:9.5.5 再突入飛翔体の熱防御:9.5.6 熱設計用ソフトウェアツール)
C.10 空調、冷凍およびヒートポンプ
10.1 アンモニアの熱物性値
10.2 R11の熱物性値
10.3 R12の熱物性値
10.4 R22の熱物性値
10.5 R13B1の熱物性値
10.6 R32の熱物性値(10.6.1 R32の熱力学性質:10.6.2 R32の輸送性質)
10.7 R125の熱物性値(10.7.1 R125の熱力学性質:10.7.2 R125の輸送性質)
10.8 R134aの熱物性値(10.8.1 R134aの熱力学性質:10.8.2 R134aの輸送性質)
10.9 R143aの熱物性値(10.9.1 R143aの熱力学性質:10.9.2 R143aの輸送性質)
10.10 R152aの熱物性値(10.10.1 R152aの熱力学性質:10.10.2 R152aの輸送性質)
10.11 混合冷媒の熱力学性質・輸送性質
10.12 その他の代替冷媒の熱物性値
10.13 代表的な自然冷媒の熱物性値
10.14 アンモニア水溶液の熱物性値(10.14.1 飽和アンモニア水溶液の密度、定圧比熱、粘性率および熱伝導率:10.14.2 気液平衡線図とエンタルピー濃度線図:10.14.3 アンモニア水溶液の屈折率)
10.15 臭化リチウム水溶液の熱物性値(10.15.1 臭化リチウムの一般的性質と水への溶解度:10.15.2 臭化リチウム水溶液の密度、定圧比熱、粘性率、熱伝導率、物質拡散係数および表面張力:10.15.3 臭化リチウム水溶液の沸点圧力、デューリング式、エンタルピー)
10.16 湿り空気線図
10.17 ケミカルヒートポンプ関係(10.17.1 吸着剤系:10.17.2 金属水素化物系:10.17.3 アンモニア化合物系:10.17.4 気体水和物系:10.17.5 無機水酸化物系:10.17.6 無機水和物系:10.17.7 有機化合物系)
C.11 低温および極低温
11.1 ブラインの熱物性値(11.1.1 ブライン:11.1.2無機塩類の水溶液:11.1.3 有機化合物の水溶液:11.1.4 有機化合物)
11.2 極低温流体の熱物性値(11.2.1 ヘリウム4:11.2.2 ネオン:11.2.3 アルゴン:11.2.4 クリプトン:11.2.5 n-水素:11.2.6 窒素:11.2.7 酸素:11.2.8 空気:11.2.9 メタン:11.2.10 エチレン:11.2.11 エタン:11.2.12 プロパン)
11.3 低温および極低温機器金属材料の熱物性値(11.3.1 純金属の比熱:11.3.2 純金属の熱伝導率、温度伝導率および線膨張係数の推奨値:11.3.3 各種合金の比熱および熱伝導率:11.3.4 純金属および合金の放射率:11.3.5 金属材料熱伝導率の近似的推定法:11.4 低温および極低温関連機器非金属材料の熱物性値)
11.5低温および極低温断熱材の熱物性値(11.5.1 非排気多孔質断熱材:11.5.2 真空粉体断熱材:11.5.3 真空多層断熱材)
C.12 食品・農産物
12.1穀物の熱物性値(12.1.1 比熱:12.1.2 熱伝導率および温度伝導率)
12.2 青果物の熱物性値(12.2.1 比熱:12.2.2 熱伝導率と温度伝導率:12.2.3 呼吸熱)
12.3 食肉の熱物性値
12.4 牛乳および乳製品の熱物性値
12.5 加工食品の熱物性値(12.5.1 比熱:12.5.2 熱伝導率)
12.6 その他
12.7 食品および農産物の熱物性の推算法(12.7.1 比熱:12.7.2 熱伝導率:12.7.3 温度伝導率)
12.8 冷凍食品の熱物性と有効熱伝導率の推算法(12.8.1はじめに:12.8.2 凍結食品の氷結率:12.8.3 凍結食品の密度:12.8.4凍結食品の比熱:12.8.5凍結食品の熱伝導率:12.8.6おわりに)
12.9 参考文献533
C.13 生活関連物質
13.1 食物の熱物性値(13.1.1 食品の熱伝達:13.1.2 加熱:13.1.3 冷凍:13.1.4 調理器具)
13.2 衣料の熱物性値(13.2.1 繊維素材:13.2.2 集合体の有効熱伝導率:13.2.3 繊維の有効熱伝導率:13.2.4 衣服材料(布)の有効熱伝導率:13.2.5 着衣の伝熱)
13.3 住生活関連材料の熱物性値(13.3.1 畳:13.3.2 カーテン:13.3.3 カーペット:13.3.4 繊維、紙および皮革)
C.14 自然
14.1 雪層の熱物性値(14.1.1 雪の密度:14.1.2 雪の比熱:14.1.3 雪の熱伝導率:14.1.4 雪の温度伝導率:14.1.5 雪層の光学特性)
14.2 一般氷の熱物性値(14.2.1 一般氷の密度:14.2.2 一般氷の比熱:14.2.3 一般氷の熱伝導率:14.2.4 一般氷の温度伝導率:14.2.5 一般氷の吸収係数:14.2.6 一般氷の潜熱量)
14.3 海氷の熱物性値(14.3.1 海氷の密度:14.3.2 海氷の定圧比熱:14.3.3 海氷の熱伝導率:14.3.4 海氷の融解熱量)
14.4 海水の熱物性値(14.4.1 海水の密度:14.4.2 海水の比熱:14.4.3 海水の熱伝導率)
14.5 霜層の熱物性値(14.5.1 霜層の密度:14.5.2 霜層の比熱:14.5.3 霜層の熱伝導率)
14.6 岩石の熱物性値(14.6.1 岩石の密度:14.6.2 岩石の比熱:14.6.3 岩石の熱伝導率)
14.7 凍土の熱物性値(14.7.1 凍土の密度:14.7.2 凍土の比熱:14.7.3 凍土の熱伝導率)
14.8 土壌の熱物性値(14.8.1 土壌の密度:14.8.2 土壌の比熱:14.8.3 土壌の熱伝導率)
14.9 石炭の熱物性値
C.15 生体・バイオ・医学
15.1 生体物質(15.1.1 生体物質の熱物性値の解釈:15.1.2 生体物質の熱物性値の測定法:15.1.3 生体物質の熱的性質:15.1.4 生体物質のガス拡散係数:15.1.5 生体物質の凍結に関連した熱物性値:15.1.6 非侵襲温度計測を基にした熱物性計測:核磁気共鳴を応用した非侵襲温度計測)
15.2 生体物理(15.2.1 タンパク質:15.2.2 脂質の熱特性:15.2.3 澱粉の糊化特性・多糖の熱転移:15.2.4 植物体のガラス転移
D編 熱物性値の検索・推算・測定
D.1 熱物性値の不確かさ
1.1 不確かさの概念
1.2 不確かさの定義(1.2.1 標準不確かさ:1.2.2 偶然効果と系統効果の同等性:1.2.3 合成標準不確かさ:1.2.4 拡張不確かさ)
1.3 表現方法の事例
D.2 材料のキャラクタリゼーション
2.1化学組成(2.1.1 主成分の分析:2.1.2 微量成分の分析:2.1.3 物性測定による純度測定:2.1.4 マイクロビームアナリシス)
2.2 結晶構造(2.2.1 代表的な計測法:2.2.2 微組織と材料の性質)
D.3 熱物性値の検索とデータベース
3.1 熱物性値のデータと文献の検索(3.1.1 学術論文誌:3.1.2 熱物性に関する汎用のデータブック:3.1.3 特定の物性値に対するデータブック:3.1.4 特定の物質に対するデータブック)
3.2 熱物性値のデータベース(3.2.1 分散型熱物性データベース:3.2.2 高分子データベースPoLyInfo:3.2.3 プロパス:3.2.4 熱力学データベース:3.2.5 REFPROP:3.2.6 海外のデータベース:3.2.7 その他のデータベース)
D.4 熱物性値の推算法の手引き
4.1 純粋液体および気体の熱力学的性質(4.1.1 推算法の概要:4.1.2 PVTおよび密度:4.1.3 エンタルピー:4.1.4 熱容量および比熱:4.1.5 まとめ)
4.2 純粋液体および気体の輸送性質の推算法(4.2.1 概要:4.2.2 粘性率の推算法:4.2.3 熱伝導率の推算法:4.2.4 拡散係数の推算法)
D.5 分子シミュレーションの手引き
5.1 熱物性の分子シミュレーション(5.1.1 概要:5.1.2 モンテカルロ法:5.1.3 分子動力学法:5.1.4 分子間相互作用のモデル)
D.6 熱物性値の測定法の手引き
6.1 温度測定(6.1.1 温度計の種類と特徴:6.1.2 測定誤差の要因:6.1.3 国際温度目盛:6.1.4 トレーサビリティー)
6.2 圧力測定(6.2.1 圧力の定義:6.2.2 圧力の種類:6.2.3 圧力計の分類:6.2.4 液柱形圧力計:6.2.5 重錘形圧力てんびん:6.2.6 弾性圧力計一般:6.2.7 機械式弾性圧力計:6.2.8 電気式弾性圧力計:6.2.9 高精度弾性圧力計:6.2.10 その他の圧力計)
6.3 固体の熱物性値の測定法の手引き(6.3.1 固体の比熱容量測定:6.3.2 固体の熱伝導率および熱拡散率:6.3.3 薄膜およびナノマテリアルの熱伝導率および熱拡散率の測定法:6.3.4 固体の熱膨張率測定法:6.3.5 固体の放射性質)
6.4 流体の熱物性値の測定法(6.4.1 相平衡:6.4.2 蒸気圧:6.4.3 流体のPvT性質:6.4.4 流体の比熱およびエンタルピー:6.4.5 流体の音速:6.4.6 流体の熱伝導率:6.4.7 流体の粘性率(粘度):6.4.8 流体の拡散係数:6.4.9 表面張力および界面張力)
6.5 熱物性標準物質(6.5.1 固体標準物質:6.5.2 流体標準物質)
6.6熱物性値測定法の規格
D.7 伝熱の初歩
7.1伝導伝熱と対流伝熱(7.1.1 伝導伝熱:7.1.2 対流伝熱)
7.2 ふく射伝熱(7.2.1 ふく射伝熱:7.2.2 表面のふく射性質:7.2.3 半透過性媒質の性質)
索引
物質名索引
熱物性受託測定機関一覧
ハンドブックリスト

説明

基盤情報としての熱物性情報
-そこに果たす熱物性ハンドブックの役割-
産業の発展を茂る樹木に例えるならば、地下に張り巡らされた根が基礎技術と基盤情報である。雑木林のなかにひときわ抜きん出た大木を緑に茂らせ、美しく花咲かせるには、地下の根も常に網を伸張複雑化させて、十分な養分を供給し続けなければならない。熱物性情報は基盤情報の重要な要素であって、産業だけでなく日常生活のあらゆる面においても欠くことができない。

1980年に、世界初の熱物性ハンドブックを作ろうという多くの科学技術分野の関係者の熱気を込めて初版が世に出されたのはつい昨日のようである。しかし、いつの間にか4半世紀が経過した。その間の科学技術や産業の発展、そして社会の変化は目を見張るものがある。熱物性ハンドブックが提供した信頼度を吟味した熱物性データも、この産業等の拡大発展に多少とも貢献したものと信じている。現在も常に新しい材料が登場し、ナノの世界から宇宙まで、視野がどんどん広がっている。熱物性情報というものは、科学技術や産業に先行して情報をそろえておく必要がある。熱物性ハンドブックはそれらの動向に合わせて改訂を続けていく必要がある。

一方で、熱物性データの重要さについては、産業界や社会の理解も、この4半世紀でかなり深まったのは喜ばしい変化であった。先端の技術開発には、さらにその先を行くデータがあらかじめ準備されていなくてはならない。基盤となる熱物性データを先行的に整備しておく責任は、世界のトップを走る国に常に負わされている。

この4半世紀のもうひとつの変化は、基盤情報の提供の仕方が大きく変化したことである。データブック参照の時代から、コンピューター検索データベース時代になり、現在はネット検索の時代、そして応用ソフトへのビルトイン時代になった。そのような時代に、敢えて印刷物で熱物性ハンドブックを作る意義はどこにあるであろうか。編集委員会でも議論された。現実の使われ方を見ると、コンピューター上の利用が主となるのは当然であるが、ハンディーな大きさで手元にあって信頼度の高いハンドブックの便利さと必要性はまだ大きいと考えられる。シミュレーションのための新しい考え方の応用ソフトなども、もとになる信頼できるデータがあって初めて可能になる。

熱物性値の定義は難しいが、ここではさまざまな固体材料や流体に関する性質データ・状態データ・現象データのうちで、熱や熱現象に何らかの関係を有するものを対象として採り上げてある。扱う熱物性値は多様であるが、熱物性ハンドブックの中心は熱力学的状態に関する諸量、輸送現象にかかわる諸量に絞って考えられている。

初版序文にあるように、本書の目的は、できるだけ広い範囲の熱物性データを網羅的に採り上げて、専門家でない人々にも手軽に利用していただくことを主眼にしている。また、データブックと言わずにハンドブックと名づけた理由は、熱物性値の解説や定義、検索・推算・測定の最小限の解説などを含める点にある。含めたデータは、ただ集めるのではなく、それぞれの分野の多数の専門家の評価を経たものとし、信頼度の高いと考えられるデータを掲載することを方針とした。

今回の改訂は、熱物性情報という基盤的な性格も考えて、初版の内容の約3割の書き改めにとどめた。しかしながら初版のほとんどのデータは実質的にはまだ利用に耐えるものと考えている。その意味で、初版の作成時に実に献身的なご協力をいただいた初版執筆者の方々、ならびに初版の小林清志編集委員長はじめ委員の方々に心からの謝意を表したい。

世の役に立つものをという志をもって奉仕的・献身的なご協力を頂いた多くの方々の努力が世に認められて、この熱物性ハンドブックがお役に立ってゆくことを願っている。

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新編 熱物性ハンドブック(B級品)

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9,900 (税込)

本書は1990年に初版が出版されて以来、日本熱物性学会の活動を代表する成果として、熱物性データを必要とする多くの読者に活用されてきました。ここにその後の科学技術の進歩とデータ情報の充実に対応した全面改著の新版が完成いたしました。  熱物性値の解説や定義、研削、入手法、測定法など、熱物性に関する信頼性の高い情報を体系化した待望の新版を広い分野の方々にお勧めいたします。

カテゴリー:
判型 B5判
第1版
ページ数 776
発行日 2018/03/30
初版発行日 2008/03/25
ISBN-13 978-4-8425-0426-1 C3053
ISBN-10 4-8425-0426-9
JAN 1923053180002

目次

A編 基本事項
A.1 利用の手引き
1.1 このハンドブックの全体構成
1.2 索引と換算表の使い方
1.3 利用上の参考事項
1.4 記号
A.2 物性値の定義と単位
2.1 単位系(2.1.1 量と単位:2.1.2 国際単位系の歩み:2.1.3 国際単位系の概要:2.1.4 SI単位の使い方:2.1.5 量の値の表現方法と四則演算:2.1.6 測定の不確かさに関する表現方法:2.1.7 無次元量の値の記述方法)
2.2 物性値の定義
2.3 単位の換算
B編 基本的物質の熱物性
B.1 元素
1.1 周期律表
1.2 基本物性
B.2 固体
2.1 純金属の熱物性値
2.2 金属の熱伝導(2.2.1 純金属の熱伝導:2.2.2 合金の熱伝導:2.2.3 金属薄膜の熱伝導)
2.3 非金属の熱伝導率・熱拡散率(2.3.1 非金属の熱伝導率:2.3.2 フォノン熱伝導率)
2.4 熱容量
2.5 熱膨張率(2.5.1 熱膨張率の定義:2.5.2 熱力学的考察;熱膨張率の低温における振る舞い:2.5.3 格子振動の非調和項(とグリューナイゼンの関係):2.5.4 代表的な固体材料の室温における線膨張率値
B.3 流体(標準流体)
B.4 流体(広範囲表)
4.1 ヘリウムの熱物性値
4.2 アルゴンの熱物性値
4.3 水素の熱物性値
4.4 窒素の熱物性値
4.5 酸素の熱物性値
4.6 空気の熱物性値
4.7 一酸化炭素の熱物性値
4.8 二酸化炭素の熱物性値
4.9 水・水蒸気の熱物性値
4.10 重水の熱物性値
4.11 二酸化硫黄の熱物性値
4.12 六フッ化硫黄の熱物性値
4.13 メタンの熱物性値
4.14 エチレンの熱物性値
4.15 エタンの熱物性値
4.16 プロピレンの熱物性値
4.17 プロパンの熱物性値
4.18 n-ブタンの熱物性値
4.19 イソブタンの熱物性値
4.20 トルエンの熱物性値
4.21 メタノールの熱物性値
4.22 エタノールの熱物性値
4.23 湿り空気の熱物性値
B.5 高温融体
5.1 液体金属の熱物性値
5.2 溶融塩の熱物性値(5.2.1 はじめに:5.2.2 測定方法および測定値の確かさ:5.2.3 溶融塩の熱物性値)
5.3 溶融半導体の熱物性値
C編 応用分野別の熱物性
C.1 エネルギー
1.1 熱媒体および顕熱蓄熱材料の熱物性値(1.1.1 有機熱媒体:1.1.2 溶融塩(硝酸塩):1.1.3 液体金属:1.1.4 固体顕熱蓄熱材料)
1.2 蓄熱材料の熱物性値(1.2.1 低温用潜熱蓄熱材料:1.2.2 高温用潜熱蓄熱材料)
1.3 リチウム電池および燃料電池材料の熱物性値(1.3.1 リチウム二次電池材料の熱物性値:1.3.2 燃料電池材料の熱物性値)
1.4 熱電材料の熱物性値
1.5 水素貯蔵材料の熱物性値
1.6 太陽電池用材料の熱物性値(1.6.1 アモルファスシリコンの密度:1.6.2 太陽電池用カルコパイライト型化合物半導体の熱物性値)
1.7 原子力材料の熱物性値(1.7.1 核分裂:1.7.2 核融合:1.7.3 核燃料サイクル)
1.8 耐火物および高温断熱材の熱物性値(1.8.1 耐火物の特徴:1.8.2 主要な耐火物品種:1.8.3 耐火物の熱伝導率測定方法:1.8.4 熱伝導率、比熱容量:1.8.5 熱拡散率)
C.2 化学工学
2.1 混合流体の熱物性値(2.1.1 希薄混合気体:2.1.2 混合液体と溶液:2.1.3 高密度流体:2.1.4 潤滑油:2.1.5 相平衡性質)
2.2 石油の熱物性値(2.2.1 キャラクタリゼーション:2.2.2. 蒸気圧:2.2.3 密度:2.2.4 比熱:2.2.5 エンタルピー:2.2.6 粘性率:2.2.7 表面張力:2.2.8 熱伝導率:2.2.9 発熱量)
2.3 石炭の熱物性値(2.3.1 石炭:2.3.2 液化:2.3.3 ガス化)
2.4 粉粒体の熱物性値(2.4.1 まえがき:2.4.2 空隙率ほか:2.4.3 伝熱のモデルと解析:2.4.4 推定の方法:2.4.5 データ集)
2.5 多孔質物質の熱物性値(2.5.1 多孔質物質:2.5.2 多孔質物質の密度と比熱:2.5.3 分散空孔を含む多孔質物質の有効熱伝導率:2.5.4 焼結または固結型多孔質物質の有効熱伝導率:2.5.5 高空間率多孔質物質および繊維型多孔質物質の有効熱伝導率:2.5.6 自然対流が生じる多孔質物質内の伝熱)
2.6 燃焼(2.6.1 燃焼ガス:2.6.2 放射物性)
C.3 金属材料・冶金
3.1 純金属の熱物性値
3.2 合金の熱物性値(3.2.1 鋳鉄:3.2.2. 炭素鋼および低合金鋼:3.2.3 ステンレス鋼:3.2.4 その他の合金鋼:3.2.5 アルミニウム合金:3.2.6 金属酸化物単結晶、アモルファス金属およびガラス類)
3.3 液体金属の熱物性値
3.4 溶融スラグおよびシリケートの熱物性値(3.4.1 密度:3.4.2 粘度:3.4.3 溶融スラグの表面張力:3.4.4 比熱容量・融解熱:3.4.5 熱伝導率:3.4.6 光学的性質)
C.4 建築材料
4.1 窯業系材料(4.1.1 セメント・モルタル・コンクリート:4.1.2 ALC4.1.3 けい酸カルシウム板:4.1.4 せっこうボード:4.1.5 窯業系屋根葺き材料)
4.2 木質系材料(4.2.1 木材:4.2.2 合板:4.2.3 パーティクルボード:4.2.4 繊維板:4.2.5 木質セメント板)
4.3 繊維系材料(4.3.1 ロックウール:4.3.2 グラスウール:4.3.3 セルロースファイバー:4.3.4 セラミックファイバー)
4.4 発泡系材料(4.4.1 硬質ウレタンフォーム:4.4.2 ポリスチレンフォーム:4.4.3 ポリエチレンフォーム:4.4.4 フェノールフォーム:4.4.5 その他の発泡系材料:4.4.6 れんが類)
4.5 建築材料の熱伝導率と作用因子(4.5.1 熱性能の宣言値および設計値:4.5.2 硬質ウレタンフォームの気泡内ガスのエージングと熱伝導率:4.5.3 含水と熱伝導率)
4.6 保温・断熱材の規格値(4.6.1人造鉱物繊維保温材(JIS A 9504):4.6.2 無機多孔質保温材(JIS A 9510):4.6.3 発泡プラスチック保温材(JIS A 9511):4.6.4 セラミックファイバーブランケット(JIS R 3311))
C.5 エレクトロニクス
5.1 光・エレクトロニクス用結晶の熱物性値
5.2 Siの熱物性値
5.3 GaAsの熱物性値
5.4 ・-・、・-・、多元系化合物半導体の熱物性値
5.5 配線用素材の物性
5.6 封止用プラスチックス系素材の物性
5.7 絶縁材の熱物性値
5.8 半導体プロセスに多用される物質の蒸気圧
5.9 超伝導材料の熱物性値
C.6 セラミックス・ガラス
6.1融点および比熱
6.2 熱伝導率および熱拡散率
6.3 セラミックスの熱膨張(6.3.1 熱膨張係数の温度変化と異方性:6.3.2 多結晶集合体および複合体の熱膨張:6.3.3 熱膨張のデータ)
6.4ふく射性質(6.4.1‘白い’セラミックス:6.4.2 ‘黒い’セラミックスと‘金属的な’セラミックス:6.4.3内部構造と温度への依存性:6.4.4 全放射率)
6.5 代表的なセラミックスの熱物性値
6.6 ガラス(6.6.1 ガラスの熱伝導率:6.6.2 ガラスの熱膨張率:6.6.3 ガラス材料の熱物性値)
6.7 炭素材料(6.7.1 黒鉛材料:6.7.2 ダイヤモンド:6.7.3 フラーレン・カーボンナノチューブ)
C.7 高分子材料
7.1 樹脂固体のデータ利用上の留意点(7.1.1 高分子(合成樹脂)の分類と種類:7.1.2 熱物性値と文献:7.1.3 熱物性値に影響する要因:7.1.4 樹脂のP-V(H)-T関係:7.1.5 新規樹脂)
7.2 熱可塑性樹脂
7.3 熱硬化性樹脂
7.4 エンジニアリングプラスチック
7.5 ゴムの熱物性値(7.5.1 密度:7.5.2 熱膨張率:7.5.3 比熱容量:7.5.4 熱伝導率:7.5.5 転移温度)
7.6 複合材料およびフォームの熱物性値(7.6.1 はじめに:7.6.2 密度:7.6.3 熱膨張係数:7.6.4 比熱容量:7.6.5 熱伝導率)
7.7 高分子融体のPVT性質
7.8 高分子液体、インキおよび塗料の非ニュートン粘度
C.8 新材料
8.1 半導体および周辺材料(8.1.1 層間絶縁膜材料)
8.2 光エレクトロニクス関連材料:光記録材料(8.2.1 光記録材料とは:8.2.2 Ge2Sb2Te5系について:8.2.3 熱拡散率・熱伝導率・比熱容量:8.2.4 光学定数とその温度依存性:8.2.5 界面熱抵抗)
8.3 カーボン系材料(8.3.1 カーボンナノチューブ:8.3.2 フラーレン:8.3.3 ダイヤモンド薄膜)
C.9 航空・宇宙
9.1 航空機機体(9.1.1構造・材料:9.1.2材料の熱物性値)
9.2 航空機エンジン(9.2.1 エンジン構造・材料:9.2.2 材料の熱物性値:9.2.3 燃料:9.2.4 潤滑油)
9.3 ロケット(9.3.1 概要:9.3.2 構造および材料)
9.4 ロケットエンジン(9.4.1 概要:9.4.2 構造および材料:9.4.3 断熱材料:9.4.4 推進薬)
9.5 宇宙機(9.5.1概要:9.5.2 本体部:9.5.3 熱制御技術:9.5.4 低温装置の熱設計:9.5.5 再突入飛翔体の熱防御:9.5.6 熱設計用ソフトウェアツール)
C.10 空調、冷凍およびヒートポンプ
10.1 アンモニアの熱物性値
10.2 R11の熱物性値
10.3 R12の熱物性値
10.4 R22の熱物性値
10.5 R13B1の熱物性値
10.6 R32の熱物性値(10.6.1 R32の熱力学性質:10.6.2 R32の輸送性質)
10.7 R125の熱物性値(10.7.1 R125の熱力学性質:10.7.2 R125の輸送性質)
10.8 R134aの熱物性値(10.8.1 R134aの熱力学性質:10.8.2 R134aの輸送性質)
10.9 R143aの熱物性値(10.9.1 R143aの熱力学性質:10.9.2 R143aの輸送性質)
10.10 R152aの熱物性値(10.10.1 R152aの熱力学性質:10.10.2 R152aの輸送性質)
10.11 混合冷媒の熱力学性質・輸送性質
10.12 その他の代替冷媒の熱物性値
10.13 代表的な自然冷媒の熱物性値
10.14 アンモニア水溶液の熱物性値(10.14.1 飽和アンモニア水溶液の密度、定圧比熱、粘性率および熱伝導率:10.14.2 気液平衡線図とエンタルピー濃度線図:10.14.3 アンモニア水溶液の屈折率)
10.15 臭化リチウム水溶液の熱物性値(10.15.1 臭化リチウムの一般的性質と水への溶解度:10.15.2 臭化リチウム水溶液の密度、定圧比熱、粘性率、熱伝導率、物質拡散係数および表面張力:10.15.3 臭化リチウム水溶液の沸点圧力、デューリング式、エンタルピー)
10.16 湿り空気線図
10.17 ケミカルヒートポンプ関係(10.17.1 吸着剤系:10.17.2 金属水素化物系:10.17.3 アンモニア化合物系:10.17.4 気体水和物系:10.17.5 無機水酸化物系:10.17.6 無機水和物系:10.17.7 有機化合物系)
C.11 低温および極低温
11.1 ブラインの熱物性値(11.1.1 ブライン:11.1.2無機塩類の水溶液:11.1.3 有機化合物の水溶液:11.1.4 有機化合物)
11.2 極低温流体の熱物性値(11.2.1 ヘリウム4:11.2.2 ネオン:11.2.3 アルゴン:11.2.4 クリプトン:11.2.5 n-水素:11.2.6 窒素:11.2.7 酸素:11.2.8 空気:11.2.9 メタン:11.2.10 エチレン:11.2.11 エタン:11.2.12 プロパン)
11.3 低温および極低温機器金属材料の熱物性値(11.3.1 純金属の比熱:11.3.2 純金属の熱伝導率、温度伝導率および線膨張係数の推奨値:11.3.3 各種合金の比熱および熱伝導率:11.3.4 純金属および合金の放射率:11.3.5 金属材料熱伝導率の近似的推定法:11.4 低温および極低温関連機器非金属材料の熱物性値)
11.5低温および極低温断熱材の熱物性値(11.5.1 非排気多孔質断熱材:11.5.2 真空粉体断熱材:11.5.3 真空多層断熱材)
C.12 食品・農産物
12.1穀物の熱物性値(12.1.1 比熱:12.1.2 熱伝導率および温度伝導率)
12.2 青果物の熱物性値(12.2.1 比熱:12.2.2 熱伝導率と温度伝導率:12.2.3 呼吸熱)
12.3 食肉の熱物性値
12.4 牛乳および乳製品の熱物性値
12.5 加工食品の熱物性値(12.5.1 比熱:12.5.2 熱伝導率)
12.6 その他
12.7 食品および農産物の熱物性の推算法(12.7.1 比熱:12.7.2 熱伝導率:12.7.3 温度伝導率)
12.8 冷凍食品の熱物性と有効熱伝導率の推算法(12.8.1はじめに:12.8.2 凍結食品の氷結率:12.8.3 凍結食品の密度:12.8.4凍結食品の比熱:12.8.5凍結食品の熱伝導率:12.8.6おわりに)
12.9 参考文献533
C.13 生活関連物質
13.1 食物の熱物性値(13.1.1 食品の熱伝達:13.1.2 加熱:13.1.3 冷凍:13.1.4 調理器具)
13.2 衣料の熱物性値(13.2.1 繊維素材:13.2.2 集合体の有効熱伝導率:13.2.3 繊維の有効熱伝導率:13.2.4 衣服材料(布)の有効熱伝導率:13.2.5 着衣の伝熱)
13.3 住生活関連材料の熱物性値(13.3.1 畳:13.3.2 カーテン:13.3.3 カーペット:13.3.4 繊維、紙および皮革)
C.14 自然
14.1 雪層の熱物性値(14.1.1 雪の密度:14.1.2 雪の比熱:14.1.3 雪の熱伝導率:14.1.4 雪の温度伝導率:14.1.5 雪層の光学特性)
14.2 一般氷の熱物性値(14.2.1 一般氷の密度:14.2.2 一般氷の比熱:14.2.3 一般氷の熱伝導率:14.2.4 一般氷の温度伝導率:14.2.5 一般氷の吸収係数:14.2.6 一般氷の潜熱量)
14.3 海氷の熱物性値(14.3.1 海氷の密度:14.3.2 海氷の定圧比熱:14.3.3 海氷の熱伝導率:14.3.4 海氷の融解熱量)
14.4 海水の熱物性値(14.4.1 海水の密度:14.4.2 海水の比熱:14.4.3 海水の熱伝導率)
14.5 霜層の熱物性値(14.5.1 霜層の密度:14.5.2 霜層の比熱:14.5.3 霜層の熱伝導率)
14.6 岩石の熱物性値(14.6.1 岩石の密度:14.6.2 岩石の比熱:14.6.3 岩石の熱伝導率)
14.7 凍土の熱物性値(14.7.1 凍土の密度:14.7.2 凍土の比熱:14.7.3 凍土の熱伝導率)
14.8 土壌の熱物性値(14.8.1 土壌の密度:14.8.2 土壌の比熱:14.8.3 土壌の熱伝導率)
14.9 石炭の熱物性値
C.15 生体・バイオ・医学
15.1 生体物質(15.1.1 生体物質の熱物性値の解釈:15.1.2 生体物質の熱物性値の測定法:15.1.3 生体物質の熱的性質:15.1.4 生体物質のガス拡散係数:15.1.5 生体物質の凍結に関連した熱物性値:15.1.6 非侵襲温度計測を基にした熱物性計測:核磁気共鳴を応用した非侵襲温度計測)
15.2 生体物理(15.2.1 タンパク質:15.2.2 脂質の熱特性:15.2.3 澱粉の糊化特性・多糖の熱転移:15.2.4 植物体のガラス転移
D編 熱物性値の検索・推算・測定
D.1 熱物性値の不確かさ
1.1 不確かさの概念
1.2 不確かさの定義(1.2.1 標準不確かさ:1.2.2 偶然効果と系統効果の同等性:1.2.3 合成標準不確かさ:1.2.4 拡張不確かさ)
1.3 表現方法の事例
D.2 材料のキャラクタリゼーション
2.1化学組成(2.1.1 主成分の分析:2.1.2 微量成分の分析:2.1.3 物性測定による純度測定:2.1.4 マイクロビームアナリシス)
2.2 結晶構造(2.2.1 代表的な計測法:2.2.2 微組織と材料の性質)
D.3 熱物性値の検索とデータベース
3.1 熱物性値のデータと文献の検索(3.1.1 学術論文誌:3.1.2 熱物性に関する汎用のデータブック:3.1.3 特定の物性値に対するデータブック:3.1.4 特定の物質に対するデータブック)
3.2 熱物性値のデータベース(3.2.1 分散型熱物性データベース:3.2.2 高分子データベースPoLyInfo:3.2.3 プロパス:3.2.4 熱力学データベース:3.2.5 REFPROP:3.2.6 海外のデータベース:3.2.7 その他のデータベース)
D.4 熱物性値の推算法の手引き
4.1 純粋液体および気体の熱力学的性質(4.1.1 推算法の概要:4.1.2 PVTおよび密度:4.1.3 エンタルピー:4.1.4 熱容量および比熱:4.1.5 まとめ)
4.2 純粋液体および気体の輸送性質の推算法(4.2.1 概要:4.2.2 粘性率の推算法:4.2.3 熱伝導率の推算法:4.2.4 拡散係数の推算法)
D.5 分子シミュレーションの手引き
5.1 熱物性の分子シミュレーション(5.1.1 概要:5.1.2 モンテカルロ法:5.1.3 分子動力学法:5.1.4 分子間相互作用のモデル)
D.6 熱物性値の測定法の手引き
6.1 温度測定(6.1.1 温度計の種類と特徴:6.1.2 測定誤差の要因:6.1.3 国際温度目盛:6.1.4 トレーサビリティー)
6.2 圧力測定(6.2.1 圧力の定義:6.2.2 圧力の種類:6.2.3 圧力計の分類:6.2.4 液柱形圧力計:6.2.5 重錘形圧力てんびん:6.2.6 弾性圧力計一般:6.2.7 機械式弾性圧力計:6.2.8 電気式弾性圧力計:6.2.9 高精度弾性圧力計:6.2.10 その他の圧力計)
6.3 固体の熱物性値の測定法の手引き(6.3.1 固体の比熱容量測定:6.3.2 固体の熱伝導率および熱拡散率:6.3.3 薄膜およびナノマテリアルの熱伝導率および熱拡散率の測定法:6.3.4 固体の熱膨張率測定法:6.3.5 固体の放射性質)
6.4 流体の熱物性値の測定法(6.4.1 相平衡:6.4.2 蒸気圧:6.4.3 流体のPvT性質:6.4.4 流体の比熱およびエンタルピー:6.4.5 流体の音速:6.4.6 流体の熱伝導率:6.4.7 流体の粘性率(粘度):6.4.8 流体の拡散係数:6.4.9 表面張力および界面張力)
6.5 熱物性標準物質(6.5.1 固体標準物質:6.5.2 流体標準物質)
6.6熱物性値測定法の規格
D.7 伝熱の初歩
7.1伝導伝熱と対流伝熱(7.1.1 伝導伝熱:7.1.2 対流伝熱)
7.2 ふく射伝熱(7.2.1 ふく射伝熱:7.2.2 表面のふく射性質:7.2.3 半透過性媒質の性質)
索引
物質名索引
熱物性受託測定機関一覧
ハンドブックリスト

説明

基盤情報としての熱物性情報
-そこに果たす熱物性ハンドブックの役割-
産業の発展を茂る樹木に例えるならば、地下に張り巡らされた根が基礎技術と基盤情報である。雑木林のなかにひときわ抜きん出た大木を緑に茂らせ、美しく花咲かせるには、地下の根も常に網を伸張複雑化させて、十分な養分を供給し続けなければならない。熱物性情報は基盤情報の重要な要素であって、産業だけでなく日常生活のあらゆる面においても欠くことができない。

1980年に、世界初の熱物性ハンドブックを作ろうという多くの科学技術分野の関係者の熱気を込めて初版が世に出されたのはつい昨日のようである。しかし、いつの間にか4半世紀が経過した。その間の科学技術や産業の発展、そして社会の変化は目を見張るものがある。熱物性ハンドブックが提供した信頼度を吟味した熱物性データも、この産業等の拡大発展に多少とも貢献したものと信じている。現在も常に新しい材料が登場し、ナノの世界から宇宙まで、視野がどんどん広がっている。熱物性情報というものは、科学技術や産業に先行して情報をそろえておく必要がある。熱物性ハンドブックはそれらの動向に合わせて改訂を続けていく必要がある。

一方で、熱物性データの重要さについては、産業界や社会の理解も、この4半世紀でかなり深まったのは喜ばしい変化であった。先端の技術開発には、さらにその先を行くデータがあらかじめ準備されていなくてはならない。基盤となる熱物性データを先行的に整備しておく責任は、世界のトップを走る国に常に負わされている。

この4半世紀のもうひとつの変化は、基盤情報の提供の仕方が大きく変化したことである。データブック参照の時代から、コンピューター検索データベース時代になり、現在はネット検索の時代、そして応用ソフトへのビルトイン時代になった。そのような時代に、敢えて印刷物で熱物性ハンドブックを作る意義はどこにあるであろうか。編集委員会でも議論された。現実の使われ方を見ると、コンピューター上の利用が主となるのは当然であるが、ハンディーな大きさで手元にあって信頼度の高いハンドブックの便利さと必要性はまだ大きいと考えられる。シミュレーションのための新しい考え方の応用ソフトなども、もとになる信頼できるデータがあって初めて可能になる。

熱物性値の定義は難しいが、ここではさまざまな固体材料や流体に関する性質データ・状態データ・現象データのうちで、熱や熱現象に何らかの関係を有するものを対象として採り上げてある。扱う熱物性値は多様であるが、熱物性ハンドブックの中心は熱力学的状態に関する諸量、輸送現象にかかわる諸量に絞って考えられている。

初版序文にあるように、本書の目的は、できるだけ広い範囲の熱物性データを網羅的に採り上げて、専門家でない人々にも手軽に利用していただくことを主眼にしている。また、データブックと言わずにハンドブックと名づけた理由は、熱物性値の解説や定義、検索・推算・測定の最小限の解説などを含める点にある。含めたデータは、ただ集めるのではなく、それぞれの分野の多数の専門家の評価を経たものとし、信頼度の高いと考えられるデータを掲載することを方針とした。

今回の改訂は、熱物性情報という基盤的な性格も考えて、初版の内容の約3割の書き改めにとどめた。しかしながら初版のほとんどのデータは実質的にはまだ利用に耐えるものと考えている。その意味で、初版の作成時に実に献身的なご協力をいただいた初版執筆者の方々、ならびに初版の小林清志編集委員長はじめ委員の方々に心からの謝意を表したい。

世の役に立つものをという志をもって奉仕的・献身的なご協力を頂いた多くの方々の努力が世に認められて、この熱物性ハンドブックがお役に立ってゆくことを願っている。

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