目次
口絵
季節の花〔196〕-7月の花 ヒメバレンギク,フウラン,ヌマオオバコ,メコノプシス,シナノナデシコ,ト-チジンジャー
元 島根大学 生物資源科学部
細木高志
論説・総説・資料・実用
超矮性トマトの栽培に関する研究
園芸研究家
三浦周行
近年の気候変動とバレイショ栽培への影響
北海道農業研究センター
寒地畑作研究領域 バレイショ育種グループ
中嶋瞳
生食用ブドウ育種における裂果性とほかの果実形質の関連
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
果樹茶業研究部門 果樹品種育成研究領域
落葉果樹品種育成グループ
松﨑隆介
高糖度ソルガムのメタン発酵による牛のメタン発生抑制の予測と普及に向けて
元 (財)畜産環境技術研究所
亀岡俊則
植物ホルモン・オーキシンの生合成を調節するケミカルツール
農研機構西日本農業研究センター
添野和雄
横浜市立大学木原生物学研究所
佐藤明子
嶋田幸久
深層学習による葉の振動波形を用いた植物の灌水制御に関する研究
桐蔭横浜大学
白川貴志
杉本恒美
佐野元昭
中川裕
連載記事
都市の土壌環境と樹木の生育〔1〕
人の生活と植物
東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科 教授
鈴木貢次郎
トマトの尻腐れ果を中心とした生理障害の理解と発生機構〔6〕
東北大学 農学研究科
金山喜則
花の香り 12か月
7月:ユリ
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
野菜花き研究部門 露地生産研究領域
大久保直美
乳牛のためのミネラルとビタミン〔4〕
コバルト(cobalt)
信州大学 名誉教授
辻井弘忠
技術普及と持続可能な農業〔2〕
技術普及の分析視点
九州大学大学院農学研究院
上西良廣
構造変動の現局面〔4〕
~佐賀県白石町の動向~
九州大学大学院農学研究院 准教授
渡部岳陽
農界ニュース
説明
〔論説・総説・資料・実用〕
植物ホルモン・オーキシンの生合成を調節するケミカルツール
野菜や花き、果樹などの園芸分野において、ジベレリンやエチレンなどの植物ホルモンの生合成を阻害する薬剤を用いたホルモン生合成の制御は品質向上や着蕾・結実促進、収穫期調整、草姿制御など、さまざまな栽培技術の発展に寄与してきた。ジベレリンやエチレンのほかに、植物の成長において重要な植物ホルモンとしてオーキシンがある。オーキシンは、細胞分裂、細胞伸長、胚発生、発根促進、頂芽優勢、光・重力屈性など、ほとんどすべての成長過程に関与する植物の成長制御において極めて重要な役割をになう信号伝達物質の 1 つである 。
オーキシン応答は、主に 3 つの経路によって調節される:オーキシン代謝、極性オーキシン輸送、およびシグナル伝達である。天然オーキシンであるインドール – 3 – 酢酸(IAA、図 1)はさまざまな生理作用を示すことから、オーキシン活性をもつ合成化合物が、発根促進剤、果菜類の着果促進剤、果樹の摘果剤、水田の選択除草剤などとして農業分野においてさまざまな用途で植物成長調節剤や農薬として利用されてきた。一方、生合成や受容・伝達などのオーキシン機能を阻害する薬剤については、古くからアンチオーキシンや輸送阻害剤とされるものが報告されていたが、その特異性や活性が不十分であることが明らかとなっていた。IAA は単純な構造でありながら、その主要生合成経路については 2000 年代に入っても決定的な証明は得られていなかった事が原因と考えられる。しかし近年ではオーキシンの生合成や代謝、輸送、情報伝達に作用する阻害剤など、標的が明確となった低分子化合物がケミカルツールとして数多く報告されている。これらケミカルツールを利用したオーキシンのケミカルバイオロジー研究は遺伝学的な手法を補完することでオーキシンの機能解明などの研究に役立てられている。本稿では、これらのケミカルツールのうち、オーキシン生合成阻害剤の開発とそれらを利用した研究について解説する。
農研機構西日本農業研究センター
添野和雄
横浜市立大学木原生物学研究所
佐藤明子
嶋田幸久
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