畜産の研究 2021年2月1日発売 第75巻 第2号

戦後、日本の畜産は先進国に一刻も早く追いつこうと、暗中模索のうちに数多くの研究が行われていました。そのような背景のもとで、昭和22年に姉妹誌である「農業および園芸」から、注目を浴び始めた畜産分野を独立させたのが本誌です。本誌は畜産研究関係者の中でも、試験研究所・大学先進農家に主な読者層を有し、研究要報や農家の経営事例をはじめとし、さまざまな情報を提供し続けています。

判型 B5判
発行日 2021/02/01
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説明

今月のピックアップ「長崎のウシの去勢術」

家畜の去勢術は古い畜産技術の一つである。

例えば、古代ギリシャの哲学者アリストテレス(BC.384年~BC.322年3月7日)の『動物誌』の「第二十一章 胎生四足獣の交尾と妊娠(ウシ)」に、「雌ウシは、一般に十五年生き、雄ウシも[睾丸を切り取って]去勢すれば、同じである。

あるものは、体が健康なら、二十年、あるいはそれ以上生きる。現に、ウシでもヒツジも同様、去勢したものを馴らしてリーダーにする」とあり、ギリシャ世界では、睾丸を切り取った去勢が行われていたことが文献により確認できる。

また、ここで、去勢すれば、雌ウシのように長生きできるという考え方も当時あったことが示唆される。さらに、群飼される放牧・遊牧のウシ・ヒツジ集団のリーダーとして調教していたと想像される。

現代の『畜産大辞典』によれば、ウシの去勢とは、「雄性ホルモンの影響を取り除くことによって、おもに性質をおとなしくして飼養管理を容易にし、外貌や肥りやすさ、脂肪の付着・沈着など、肉質を雌肥育牛に近づける」ことを目的にしているとされる。

アリストテレスのいう長生きには言及されていない。また、日本における去勢の歴史も良く知られていない。そこで、長崎出島には、オランダ商館があり、出島商館内にウシが飼われていたことから、海外からの家畜の去勢術に関する情報があったと考え、長崎のウシの去勢術の調査を行った。

広島大学大学院生物圏科学研究科・長崎県肉用牛改良センター
松尾雄二

目次

産業動物

日本の畜産と農業のレビュー
~その12 戦後75年の飼料に関する25のキーワード~

畜産飼料調査所主宰
阿部 亮

国際競争力を付けるための肉用牛の効率的生産手法

元ナンチクファーム代表取締役
北野良夫

飼料学(191)
―海獣、魚の飼料―

静岡県立農林環境専門職大学
祐森誠司

(一社)日本科学飼料協会
石橋 晃

家畜飼養管理の実践(14)
―家禽の管理―

静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部
祐森誠司

元東京農業大学
佐藤光夫

静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
柴田昌利

生物統計学講座(9)
―定性値・頻度データ(χ2およびFisherの検定)―

元慶応義塾大学総合政策学部非常勤講師
小林克己

第113回日本養豚学会大会開催報告

日本養豚学会会長・静岡農林環境専門職大学生産環境経営学部
祐森誠司

日本養豚学会常務理事・農研機構畜産研究部門
佐々木啓介

日本養豚学会副会長・農研機構生物機能利用研究部門
美川 智

Dr. Ossyの畜産・知ったかぶり(116)
戦争と動物①ウマ

麻布大学名誉教授
押田敏雄

静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部
祐森誠司

長崎のウシの去勢術

広島大学大学院生物圏科学研究科・長崎県肉用牛改良センター
松尾雄二

コロナ禍等に伴う食糧危機・これからの農牧生産・食糧増産戦略の必要性(2)
―コロナ禍に伴う食糧危機に対する二案―

(株)宏大 & エクアドル、リトラル工科大学
冨田健太郎

レビュー

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