説明
現在日本の畜産農場の大半は、欧米畜産先進国から導入してきた工場的畜産のままである。
アニマルウェルフェア畜産農業者は極少数派であるが、単なる生産段階での飼育技術システムの改革だけではなく、飼育者が自身のライフスタイルをまさに「人間と家畜とが相互依存するウェルフェア共生システム」の中で充実させている人たちである。
欧米畜産先進国のアニマルウェルフェア畜産にも引けを取らない、日本における先進的なアニマルウェルフェア農場の存在とその成果を紹介する。
その実態から伺えることは、家畜の行動の自由度をたかめる飼育によって、健康な家畜と安全で高品質の食品を生産するだけでなく、飼育者とともにそのフードチェーンでつながる食品産業の従事者、最終消費者もアニマルウェルフェア飼育の家畜と触れ合うことによって返って動物から癒しを与えられるという、「満たされた生活」を受け取る喜びがみられる。
欧米の人間優位主義的な動物管理視点(management)が強いアニマルウェルフェア生産システムとは異なる、むしろ共生視点(Symbiotic)が強い「日本的アジア的なウェルフェア・フードシステム」が進展しているといってもいいであろう。
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