農業水利のための水路システム工学 —送配水システムの水理と水利用機能—

2,970 (税込)

本書では,著者らが現地の水路システムにおける長年の技術的課題解決の経験を踏まえ,水路システムを構築・機能保全するための知見と技術について,水理学,水利用学,農業水利学的側面から解説する.これらの中で,必要上可欠な水理学分野では,水路技術に特に必要な一次元流れなどの基礎的原理,開水路と管水路の水理およびその応用分野を中心に解説する.

在庫あり

判型 A5判
第1版
ページ数 212
発行日 2015/08/20
ISBN-13 978-4-8425-0532-9 C3061
ISBN-10 4-8425-0532-x
JAN 1923061027009
図書館: カーリル
※当サイトの書影データはご自由にお使いください。
書影のダウンロード: メイン画像, サブ画像[1]

目次

まえがき
第1章 水路システムの目的
第2章 水路システムの構造と機能
第3章 水路システムにおける流れの基礎水理
第4章 水路システムの水管理と操作・運用
第5章 水路システムの配水管理
第6章 水路システムの流量制御
第7章 水路システムの設計の基本
第8章 水路システムの機能保全
あとがき
索引
著者略歴

説明

灌漑は,河川などから作物の生育に効果のある成分とともに,水を農地に供給すること,また,排水は,農地において,作物からの老廃物や余分な水分を排除することである.これらは,農業全般にわたり最も重要で効果的な作業である.この作業を圃場にて確実に行うためには,水源から圃場までの間の灌漑排水施設の整備が必要となる.この整備を行う根拠となる計画立案技術と施設を構築するための設計技術および施設を運用管理する維持管理技術が農業水利学(あるいは灌漑排水工学)の範疇となる.

その主体となる水路システム工学は,水理学,流体力学,静水力学などの数学的基礎に基づいた伝統ある工学理論を基礎科学としている.また,灌漑排水施設は,人工物としての「ものであり,また,本論で述べるようにシステムである.この「ものつくりにおいては,より社会が求める新しい「ものの創造と多くの要求性能に答えられる最適化が必要となる.

そして,この基盤となるものがシステム工学である.今後,社会はより複雑化し,農業の在り方も大きく変化しいくことが予想される.灌漑排水技術においても農業生産の側面の他に(この目的は,上変であるが),多様な社会からの要求に対して関連する科学技術を究めるとともに,他の分野の先進的な技術も取り入れながら技術面から答えを出して行くことが求められる.

そこで,本書では,著者らが現地の水路システムにおける長年の技術的課題解決の経験を踏まえ,水路システムを構築・機能保全するための知見と技術について,水理学,水利用学,農業水利学的側面から解説する.これらの中で,必要上可欠な水理学分野では,水路技術に特に必要な一次元流れなどの基礎的原理,開水路と管水路の水理およびその応用分野を中心に解説する.対象とする読者は,実務を担当している技術者,研究者および大学学部生・院生までを想定した.人間にとって歴史ある水路システムの正しい知識やその可能性が関係する専門分野に広く理解されることを強く願うものである.そして,これまで構築されてきた水路システムが,日本に限らず広く世界において,良好に保全され農業生産の向上と自然環境の保全に少しでも役立てば幸いである.

レビュー

レビューはまだありません。

“農業水利のための水路システム工学 —送配水システムの水理と水利用機能—” の口コミを投稿します

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です