新植物病理学概論

4,180 (税込)

前著から13年ぶりの改訂版。長足の発展をした分子生物学を多く取り入れ、積み重ねた研究成果、必要性、重要性を解説。

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判型 A5判
訂正1版
ページ数 280
発行日 2014/03/10
ISBN-13 978-4-8425-0494-0 C3061
ISBN-10 4-8425-0494-3
JAN 1923061038005
図書館: カーリル
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目次

第1章 緒言
§1 植物病理学とは
§2 植物病理学の歴史
§3 人間の歴史を変えた植物の病気

第2章 植物の病気と原因
§1 植物の病気とは
§2 病気の成立要因
§3 病原体の分類学的な位置
§4 感染と発病
§5 病原体であることの証明

第3章 糸状菌病(菌類病)
§1 プロトゾア(原生動物)界
§2 クロミスタ界
§3 菌界

第4章 細菌病とファイトプラズマ病
§1 細菌の構造
§2 細菌の分類と同定
§3 細菌の遺伝子構造(ゲノム)
§4 細菌の増殖と芽胞
§5 菌体密度感知気候
§6 抗細菌作用
§7 主な植物病原細菌の感染様式と病徴
§8 細菌による植物感染機構
§9 植物病原細菌のエリシターと植物による認識機構
§10 植物病原細菌の生存形態
§11 難培養性原核生物

第5章 ウイルス病とウイロイド病
§1 ウイルスとは
§2 植物ウイルスの種類
§3 分類と命名
§4 形態と構造
§5 侵入、増殖、移行
§6 感染と宿主応答
§7 伝搬
§8 診断と同定
§9 ウイロイド病

第6章 線虫病、寄生植物と生理病
§1 線虫病
§2 寄生植物
§3 生理病

第7章 病原性と抵抗性
§1 病原性の分化
§2 植物の抵抗性
§3 病原性

第8章 病気の伝染
§1 第一次伝染源
§2 伝搬
§3 発病・流行に関わる主因、素因、誘因の影響
§4 病害の発生予測(発生予察)

第9章 病気の診断
§1 圃場診断
§2 植物診断
§3 生理病の診断

第10章 植物保護
§1 病気の予防
§2 病気の防除

第11章 農薬
§1 農薬の定義と分類
§2 農薬の歴史と安全性
§3 病害防除用薬剤
§4 薬剤耐性菌
§5 農薬の安全使用

第12章 植物病理学とバイオテクノロジー
§1 モデル植物病理学
§2 病害抵抗性に関わる植物遺伝子の機能解析
§3 病原性遺伝子の機能解析法
§4 新しい植物病害防除法

参考文献・植物病理学問題例・索 引

説明

故平井篤造博士が名著「植物病理学総論」を世に出されたのは1961年であった。1977年には、故西村正暘博士、浅田泰次博士により「植物病理学概論」として出版され1991年の改訂版を経て、1998年には久能 均博士により「新編植物病理学概論」として引き継がれた。初版以来既に10冊が世に出ており、これらは平易な文章と図表や写真により、わかりやすい入門書として多くの学生に親しまれてきた。しかし、新編植物病理学第1版が出版されてから、すでに13年の歳月が経過し、時代の流れに合うように、改訂が必要になった。「新編植物病理学概論」を執筆された久能 均博士、露無慎二博士は大学を退官されたので、新たな執筆者の陣容で大幅な改定を行い、「新植物病理学概論」として出版することとなった。本書では5名の著者がそれぞれの専門に応じて各章を分担執筆し、相互に各章について議論するとともに、草稿を別の専門家に査読して頂き、全体の統一性や正確性を期したが、なお不備な部分や誤りなどがあるかもしれない。読者の皆様の御指摘をお願いしたい。

本書が、新編植物病理学概論と大きく異なる点は、この間長足の発展を遂げた分子生物学の成果をできるだけ取り入れたところにある。同時に、これまでに積み重ねられてきた貴重な研究成果を、次世代に伝えて行く必要性や重要性については、言うまでもない。本書が、この意図に叶っていれば本望である。

植物病理学の次世代を担う方々にとってもっとも大切なことは、植物と病原体にひそむ生命の不思議さ、面白さを体験することである。本書で学んだことを座学に終わらせることなく、一歩実際の現場に踏み出て、ここで繰り広げられる生命のダイナミックさを是非観察して頂きたい。そこには必ず新しい発見があるはずである。

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