医学物理の理工学 下巻

4,620 (税込)

医学物理に関連した放射線医療の安全性・品質の先端研究や活動をまとめた啓蒙書。

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判型 A5判
第1版
ページ数 274
発行日 2013/07/19
ISBN-13 978-4-8425-0517-6 C3053
ISBN-10 4-8425-0517-6
JAN 1923053042003
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図書館: カーリル
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目次

第4章 治療
4.1 強度変調回転放射線治療(VMAT)
4.2 RapidArc
4.3 四次元治療
4.4 粒子線スキャニング法
4.5 照射領域可視化システム

第5章 診断
5.1 医用放射線計測技術
5.2 四次元CT
5.3 PET
5.4 MRI
5.5 放射光および病院設置型微小血管造影法の 開発と臨床応用
5.6 レーザーコンプトン散乱Xを用いた医用イメージング

第6章 治療における放射線生物学
6.1 がん放射線治療の基本的考え方
6.2 放射線の基礎過程:電離からDNA損傷生成まで
6.3 DNA損傷による細胞レベルの応答と細胞周期チェックポイント修復
6.4 DNA損傷の修復
6.5 放射線による突然変異誘発と細胞死の線量効果関係
6.6 腫瘍の放射線治療
6.7 腫瘍の増感と正常組織の防護

第7章 放射線薬品送達システム(DDS:Drug Delivery System)
7.1 中性子捕捉療法における薬剤送達システム
7.2 X線を活用した薬品送達システム
7.3 治療用放射線防護剤―反応性と防護作用の解明

第8章 生体シミュレータ
8.1 放射線治療遠隔支援のためのモンテカルロ線量計算システム
8.2 粒子法シミュレーション
8.3 血流イメージング
8.4 地球シミュレータによるDDSシミュレーション

第9章 安全工学
9.1 放射線安全
9.2 放射線安全規制と放射線取扱主任者

第10章 社会受容性とビジネス化
10.1 社会経済的な価値戦略
10.2 加速器とベンチャービジネス

説明

医学物理学の発祥は、放射線による人体の診断や治療が広まるにつれて、放射線の知識が医学の発展の中で必要になってきたことにある。コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)、PET(Positron Emission Tomography)などは、物理学の発展がなくしては発明されなかったもので、医学への貢献は言うまでもなく多大なものがある。
一言で医学物理学を正確に定義しようとすると「物理工学の知識・成果を医学に応用・活用する学術分野である」となるが、具体的なイメージに乏しく聞こえるかもしれない。より具体的に医学物理学を説明すると、大きく分けて次の三つの項目に関する学問であると言える。
1) より鮮明により小さな対象を画像化したい、また、最近では人体の機能を画像化して正確な診断を達成したいという要求に答える人体の画像に関する学問。
2) 放射線や温熱を利用して、効果的にがんを消滅させ副作用を無くす治療を達成したいということに物理的に貢献する学問。
3) また、医学的に利用される放射線の害を最小限に抑えるための学問。
CT装置やMRI、PET装置、光子線・粒子線治療装置の高精度化の研究・開発は医学物理学そのものといえる。装置自身の開発から、装置の利用法に関する考察、臨床での診断や治療結果に関する論理的な評価など、医学物理のスペクトルは非常に広いといえる。
本書は、先端的な放射線治療装置を数多く紹介した内容に重点が置かれており、病院に勤務する医学物理士、メーカーにおいて医療装置の開発を主体に目指す若手にとっても、非常に参考になるものである。

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