機械の研究 2023年3月1日発売 第75巻 第3号

2,970 (税込)

本誌「機械の研究」は、1949年(昭和24年)、それまでの
機械工学の概念を脱却して、工学・工業の一環としての機
械工学に関する新しい研究と技術の進歩を提供する事をそ
の主眼に創刊した月刊誌です。工学全般・工業に関連した
研究分野において、最新かつ重要な学理および興味深い研
究成果を平易に解説しています。

在庫あり

判型 B5判
発行日 2023/03/01
JAN 4910028170332
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目次

展望・総説・総論

ねじ締結体のゆるみ問題への有限要素法の適用

東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 教授
泉 聡志

連載講座

カルマンフィルタとその周辺および応用(11)
カルマン・スムーザ(2)

大阪大学大学院工学研究科 特任准教授
和田光代

立命館大学 名誉教授
杉本末雄

機械構造用金属材料の超高サイクル疲労(52)
7. VHCF-5~VHCF-7の10年間の研究動向(5)

立命館大学 名誉教授
酒井達雄

応用力学基礎講座(4)
熱力学の法則と熱関数

慶應義塾大学 名誉教授
棚橋隆彦

コラム:一杯のコーヒーから(194)

これからのMarketing

元 Consulting Prof., Stanford Univ
慶應義塾大学 顧問
福田収一

特別講座:機械系大学院入試問題演習

(31)機械力学:東工大2021年夏季実施より
(32)機械力学:東工大2021年夏季実施より

神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦

歴史に学ぶ「機械の研究」―第33巻 第1号 掲載 特集 「精度設計の進展」
工学・工業界ニュース

説明

巻頭記事「ねじ締結体のゆるみ問題への有限要素法の適用」

筆者は2004年より、ねじ締結体のゆるみの問題へ有限要素法を適用する研究活動をおこなっており、いままでさまざまな課題を産学連携で取り組んできた。いうまでもなく、ねじ締結体は、機械の分野に限らず、非常に広く用いられており、日本ねじ工業協会によると、日本のねじは 1 000を超える事業所数で、年間 1 兆円近い生産実績、3 000億円におよぶ輸出量を誇る。筆者の研究室へのねじに関する技術相談の数は、ほかの研究テーマと比較して、圧倒的に多く、これまでの15年で100件近くにおよぶ。共同研究や技術移転も30件を超えている。

本稿では、筆者のこれまでの経験を元に、ねじ締結体の有限要素解析が解決してきたさまざまな問題について紹介したい。なお、ねじのゆるみなどの対策については、すでに数々の名著や、VDI2230 などのガイドラインも存在する。有限要素法は、その知見をさらに深めるとともに、現場に即した定量的な評価を提供できることから極めて有効な手法である。

ねじのゆるみは、大きくわけて戻り回転なしの非回転ゆるみと、戻り回転ありの回転ゆるみにわけられる。前者は、陥没、微動摩耗、塗装材の破損、熱的原因によるゆるみで、後者は、軸周り方向、軸直角方向、軸方向の繰り返し外力によるゆるみが挙げられる。また、これに加え、締結時の軸力の管理、ゆるみ止め部品の効果の検証も大きな課題である。

本稿では、まず、軸直角方向外力により回転ゆるみの有限要素法を使ったメカニズムの解明と、それより得られたゆるみ防止指針の提案について述べる。つぎに、ダブルナットやばね座金などのゆるみ止め部品の効果の有限要素解析を使った検証例について述べる。

なお、軸周り外力と軸方向外力のゆるみについても有限要素解析をおこなっているが、前者は従来の理論通りの結果が得られており、後者は確かに生じるが、過大な外力が必要なため、疲労などのほかの破損モードが先に起こると考えられるため、ここでの紹介は割愛する。

東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 教授
泉 聡志

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