やさしい超音波振動応用加工技術

2,750 (税込)

本書は,「超音波振動加工は初めて」 という大学や高専などで機械工学・機械加工学・加工技術を学ぶ学生はもちろん,企業や公的研究機関で新材料・難削材の加工に携わる技術者・研究者にも理解しやすいように,超音波振動加工装置の設計・製作・使用・評価などに役に立つ知識やノウハウを平易に解説.

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判型 A5判
第1版
ページ数 203
発行日 2015/02/06
ISBN-13 978-4-8425-0529-9 C3053
ISBN-10 4-8425-0529-x
JAN 1923053025006
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図書館: カーリル
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目次

第1章 超音波の基本的な性質と身近な応用例
1)自然界に見る超音波
2)超音波の基本的な性質
3)私たちに身近な超音波の応用
第2章 超音波はどのように発生させ, 測定するのか
1)はじめに
2)超音波振動を発生させるアクチュエータ 「振動子」
3)超音波振動を発生させるための電気回路
4)超音波振動の伝送と振動系の設計
5)超音波の測り方
第3章 超音波を加工に応用するための大切な基本原理
1)超音波を応用した切削法 「振動切削」 の原理
2)超音波砥粒加工の原理
3)超音波により金属を塑性変形させるための基本原理
4)超音波に関する数式表現
第4章 超音波振動は生産現場のこんなところに― 切削, 研削, 研磨加工 ―
1)はじめに
2)超音波振動切削
3)超音波振動エンドミル加工
4)超音波振動ドリル加工
5)超音波振動切断加工
6)超音波振動砥粒加工
7)放電加工に超音波振動を援用した加工
第5章 超音波振動は生産現場のこんなところに― 塑性加工, その他 ―
1)はじめに
2)塑性加工への超音波の応用状況を俯瞰すると
3)超音波振動ダイによる金属線や管の製造
4)超音波振動による線の曲げ加工
5)超音波振動による管の曲げ加工
6)超音波振動を応用した金属部品の鍛造加工
7)超音波振動による金属の接合
8)金属の表面改質や鋳造への応用
9)超音波振動を加工に応用するときの留意点
索引
あとがき

説明

古代の装身具やお守りとして使われていた勾玉 (まがたま) は, 縄文時代の遺跡から出土しています.この勾玉の穴の加工には,工具として竹が使われ,遊離砥粒として砂粒が使われていたと考えられています.それが刀剣の磨きや金属の研削に進展していき,その後,超音波振動技術の発達に伴って,いわゆる超音波加工 (超音波振動遊離砥粒加工) や超音波振動研削につながっていったものと思われます.

1960 年ごろ,元 宇都宮大学教授 隈部淳一郎先生によって創始・創案された超音波振動切削技術は,創始者によって各種切削加工,研削加工,研磨加工など,きわめて広範な加工法に適用されて効果が実証され,現在もなお,たゆみなくその進化を遂げています.
本書の著者の一人,神 雅彦は,隈部先生の愛弟子の一人であり,宇都宮大学 在学時に指導を受けて以来,超音波振動切削技術の創始者の遺志を汲んでおり,その真髄を修得しております.

著者の一人,鬼鞍宏猷は,平成8年 (1996年) から4年間,社団法人 (現在は公益社団法人) 精密工学会の 「超音波振動加工技術に関する調査研究分科会」 を他に先んじて開催するとともに,多くの研究者や技術者との情報交換や討議を重ね,技術の向上や普及に努めてきました.

また著者らは,平成11年 (1999年) から現在まで,公益社団法人 精密工学会の春季・秋季大会でのオーガナイズドセッションで 「超音波振動を援用した加工技術」 を取り上げて,多くの講演を通じて技術交流や技術のレベルアップを図ってきています.このオーガナイズドセッションの参加者数は延べ1 000 人以上に達しており,この技術に関心をもち,種々の加工に適用しようという研究者・技術者は少なくないと感じています.最近では,延性・脆性材料の微細加工への適用,キャビテーション応用の穴加工,金型の超精密加工など,新しい展開も見られ,今後の技術の発展が期待されます. しかし,超音波振動の性質・特徴や発生方法・測定方法,加工に適用する技術,超音波振動装置のトラブル対処法などについての知識や経験が少ない方も多いのではないでしょうか.これらのことを身につけておくと,関連技術を的確に進化させることができますし,問題点の解決も容易になります.

また,「振動をできるだけ排除しようという工作機械に超音波振動を付加するとは何事ぞ」 と,超音波振動加工を毛嫌いする方の誤解を解いて理解を深めていただくためにも本書を利用していただければと思っています.

本書は,「超音波振動加工は初めて」 という大学や高専などで機械工学・機械加工学・加工技術を学ぶ学生はもちろん,企業や公的研究機関で新材料・難削材の加工に携わる技術者・研究者にも理解しやすいように,超音波振動加工装置の設計・製作・使用・評価などに役に立つ知識やノウハウを平易に解説したつもりです.また,本書の読者の中から,新しい超音波振動加工技術が開発され,あるいはこの技術に携わる方が多く現れることを期待しています.

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