流れ工学

2,860 (税込)

本書は、水力学や流体力学および流体工学を学ぶ工学関係の大学生、大学院生および技術者を対象に、流れ現象の基礎(流体力学、流体工学の初歩)と中位の知識と考え方を理解し習得されるように、また、さらに高度な知識の理解と習得に意欲を燃やされるように、と願い著された教科書または参考書である。

正誤表

在庫あり

判型 A5判
第1版
ページ数 173
発行日 2007/09/10
ISBN-13 978-4-8425-0425-4 C3053
ISBN-10 4-8425-0425-0
JAN 1923053026003
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図書館: カーリル
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目次

第1章 流体および流れの基礎的性質
1.1 密度、比体積、比重
1.2 圧縮率、体積弾性係数
1.3 粘性
1.4 表面張力(1.球状液滴:2.毛管現象)
演習問題
第2章 流体静力学
2.1 圧力(1.圧力の等方性:2.パスカルの原理)
2.2 流体中の高さによる圧力の変化
2.3 圧力の釣合い(1.絶対圧力、ゲージ圧力、圧力ヘッド:2.液柱による圧力表示)
2.4 面に作用する圧力と力(1.平面壁に作用する力:2.圧力中心:3.曲面壁に作用する力)
2.5 浮力と浮揚体(1.浮力:2.浮揚体)
演習問題
第3章 流れの基礎
3.1 流体の流れ
3.2 層流と乱流
3.3 定常流と非定常流
3.4 流線と流管
3.5 連続の式(1.定常流の連続の式:2.非定常流の連続の式)
3.6 ベルヌーイの定理と応用(1.ベルヌーイの定理:2.小孔からの流出:3.ピトー管:4. ベンチュリ管)
3.7 回転運動(1.強制渦:2.自由渦:3.ランキン渦(組合せ渦):4.放射流れと自由渦の組合せ)
3.8 運動量の定理と応用(1.曲がり管内の流れ:2.十分大きな平板に衝突する噴流:3.小さい平板に衝突する噴流:4.水受けに衝突する噴流:5.移動する水受けに衝突する噴流:6.角運動量の定理と物体が受けるトルク)
演習問題
第4章 次元解析による流れの解析と相似則
4.1 次元解析とπ定理(1.次元解析:2.バッキンガムのπ定理)
4.2 力学的な相似則(1.相似則:2.相似パラメータ)
演習問題
第5章 円管内の流れ
5.1 助走区間の流れ
5.2 速度分布(1.層流の場合:2.乱流の場合)
5.3 壁面近傍の流れ、境界層(1.層流境界層:2.乱流境界層)
5.4 管摩擦による流動損失(1.管摩擦係数:2.損失がある場合のベルヌーイの定理:3. 機械的なエネルギー変化がある場合のベルヌーイの定理:4.滑らかな管の管摩擦係数の実用公式:5.粗い管の管摩擦係数の実用公式:6.円形断面以外の管の摩擦損失)
5.5 管路系における流動損失(1.水力勾配線およびエネルギー勾配線:2.断面積変化による流動損失:3.曲がり管の流動損失:4.弁の流動損失:5.分岐と合流による流動損失:6.複合管路の流動損失)
演習問題
第6章 開きょの流れ
6.1 開きょ
6.2 一様流の公式
6.3 速度分布
6.4 常流と射流
6.5 跳水
演習問題
第7章 理想流体(非粘性流体)の力学
7.1 基礎式の導出のための準備(1.テイラー展開による近似:2.流れにおける変形)
7.2 基礎方程式の導出(1.質量保存式:2. 運動量保存式(運動方程式))
7.3 理想流体を支配する方程式
7.4 循環および循環定理(1.循環T:2.循環定理)
7.5 流れ関数
7.6 速度ポテンシャル(1.速度ポテンシャル:2.圧力方程式)
7.7 複素ポテンシャル
7.8 複素ポテンシャルにより表される簡単な流れ(1.一様な流れ:2.吹出し(湧出し)、吸込み:3.渦:4.二重吹出し:5.円柱周りの流れ)
7.9 等角写像
7.10等角写像の応用(1.ジューコフスキー変換:2.平板翼の揚力)
演習問題
第8章 流れの測定
8.1 圧力(1.液柱圧力計(マノメータ)とトリチェリの水銀気圧計:2.弾性圧力計:3. 静圧測定器:4 半導体式圧力変換器)
8.2 速度(1.ピトー管:2.回転式流速計:3.熱線流速計:4.レーザ・ドップラー流速計:5.粒子画像流速計:6.超音波流速計)
8.3 流量(1.重量法:2.羽根車式流量計:3.フロート式流量計:4.流速積分法:5.絞り流量計:6.せき:7.電磁流量計:8.超音波流量計:9.渦流量計)
演習問題
演習問題の解答
参考文献
索引

説明

自然界および私達の生活でみられるマクロ(大規模)からミクロ(微小規模)にわたる多種・多様な流れ現象を理解しそれを有効に利用するには、水力学や流体力学および流体工学の知識と手法が極めて重要である。

このうち、水力学と呼ばれる学問は、古くは紀元前から私達の生活や農耕などに欠かせない水を確保するための水道水路や灌漑水路を作製するための技術として、いわゆる実学として自然発生的に始まり進歩してきた。

一方、流体力学は数学の発展とともに、また実際には特に航空機の開発のための要求とともに進歩してきた。例えば、ポテンシャル論の発展にしたがって非圧縮、非粘性のポテンシャル流れの解析が進み、統計力学やランダムな現象を扱う数学モデルの発展にしたがって乱流現象の解明が進んだようにである。

また、近年、私達の生活を脅かすような種々の環境エネルギー問題、例えば、汚染物質の拡散による大気や水環境の汚染、地球の温暖化や異常気象に関係する気象や省エネルギーに関係する問題、などが生じその早急な解決が強く求められている。その際、流体、熱および物質の移動・拡散が主に対流によって(流れに乗って)行われる場合、流体の運動・挙動がその現象に対して決定的に支配的となる。この意味でも、水力学や流体力学および流体工学の知識や手法を理解し習得することが極めて重要になる。

また、種々の流体機械やエンジンなどの熱機関の効率を改善し省エネルギーを図るにも、流体力学、流体工学の知識や手法が鍵となる重要な事項である。

本書では特に水力学の領域および流れ現象の基礎について、その特徴と取り扱い方法を主に実験的、および理論的解析に基づいて説明する。

著者らは、大学工学部、大学院工学研究科において「流体力学」、「輸送現象論」および「環境流動学」など水力学、流体力学、工学に関係する講義や研究をおこなっているが、学生にとっては理解しにくい多くの事項・内容がある。

このようなことから、本書は水力学や流体力学および流体工学を学ぶ工学関係の大学生、大学院生および技術者を対象に、流れ現象の基礎が理解し易いように著された教科書または参考書である。

この種の書として既に国内外に多くの名著が存在することは承知しているが上記の観点から、本書ではまず水力学や流体力学および流体工学の基礎的事項の理解と習得に主眼を置き、実際的な問題を例題として取り上げながらそれらを説明する。例えば

第1章で流体および流れの基礎的性質を、第2、3章で流体静力学と動力学、層流と乱流、ベルヌーイの定理と応用、運動量の定理と応用を、第5、6章で管内の流れ、境界層、開きょの流れ、などを、次いで、水力学、流体力学の現象を数学的に記述しそれらを理論的に解析することについて説明し[第7章 理想流体(非圧縮、非粘性流体)の力学]、さらに実際の流体の流れ現象を数学的に記述しそれらの解析結果を実験結果を使って補足、拡充させ実用に供することについて説明する(例えば、第4章 次元解析と相似則)。また、流れの測定法の概略についても説明する(第8章 流れの測定)。

これらのことから、本書は読者が興味を持って流れ現象の基礎(流体力学、流体工学の初歩)と中位の知識と考え方を理解し習得されるように、また、さらに高度な知識の理解と習得に意欲を燃やされるように、と願い著されたものである。なお、内容を理解し易くするために、多くの例題と演習問題を取り入れた。

(序文より抜粋)

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