説明
‘もの’をつくる場合には、いろいろな工具や機械を用いて材料(素材)を加工する。この加工法には多くの種類や方法があり、要求される機能・性能・精度などに合わせて選択される。
加工法は、溶融状態での成形法を除けば「塑性加工」と「機械加工」に大別される。前者は、材料の形を変える加工法で、代表的な圧延、押出し、鍛造、せん断などの加工がある。ここでは体積変化は伴わない。一方、後者は、材料の一部を除去(切り離し)したり、あるいは削り取る加工法で、代表的な切削加工(旋盤加工、フライス加工)や研削加工がある。ここでは加工に伴って体積や重量が減少する。
あらゆる分野で採用される材料の加工法は、それを利用する機械や構造物、その他、あらゆる産業・工業分野の設計者や技術者などに加工法の広範な知識や情報が要求されるようになった。本書は、大学や高専で機械工学および材料加工学を学ぶうえで欠くことのできない教科書、さらに実社会に出て間がない材料加工関係の業務に携わる技術者の入門書として記述した。
本書の内容は、「塑性加工」と「機械加工」を軸に、生産加工の材料科学、塑性加工分野の圧延、押出し、引抜き、鍛造、せん断、曲げ、絞り、および機械加工分野の切削、研削の諸加工について、それぞれの概要、特徴・特性、欠陥対策などについて基礎から最新技術まで多数の図・表をもとにわかかりやすく記述した。したがって、これから塑性加工や機械加工の材料加工学を学習する方はもとより、日常的な生産や研究の場において、実際に必要となる種々の加工技術や多数のデータは幅広い分野で活用できるものと確信する。(序文より)
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