模型飛行機の科学

3,080 (税込)

本書は、模型飛行機独特のノウハウについて述べると同時に、基礎原理をわかりやすく解説し、設計上の要点や注意事項について言及。そして、繁雑な数式は極力さけ、物理的な説明に重点を置くと同時に、多くの具体的な例題によって理解が深まるように工夫した書。

在庫切れ

カテゴリー: ,
判型 A5判
第1版
ページ数 200
発行日 2005/07/01
ISBN-13 978-4-8425-0372-1 C3053
ISBN-10 4-8425-0372-6
JAN 1923053028007
Yahoo!ショッピング でのお取り扱いについてはお問い合わせください。
Amazon紀伊國屋書店セブンネットショッピング
図書館: カーリル
※当サイトの書影データはご自由にお使いください。
書影のダウンロード: メイン画像

目次

1 模型飛行機の概要(1 種類と主要部の名称:2 翼型:3 翼の平面形:4 各種の用語と定義)
2 空気の性質(1 密度:2 粘性:3 圧縮性)
3 飛行の原理(1 揚力と抗力:2 ベルヌーイの定理:3 渦と循環:4 円柱の周りの流れと揚力:5 翼の周りの流れと揚力)
4 抗力(1 誘導抗力(渦抗力):2 摩擦抗力(表皮抗力):3 圧力抗力:4 翼の抗力の分析:5 構造抗力)
5 翼型(1 平板翼:2 曲板翼:3 平底型の翼型:4 高揚力型の翼型:5 対称翼:6 半対称翼)
6 推進動力(1 ゴム動力:2 トルク特性と蓄積エネルギー:3 ピストン機関:4 構造と作動原理:5 動力発生の機構と性能)
7 プロペラ(1 運動量理論と推進効率:2 翼素理論:3 プロペラの設計:4 模型機用プロペラの各種ブロック:5 ゴム動力機用プロペラの簡易設計法:6 エンジン機用プロペラの設計:7 機種によるプロペラの設計傾向の相異)
8 滞空性能(1 理想滞空時間:2 滑空を含む滞空の場合:3 緩上昇と急上昇の利害得失)
9 安定性(1 安定を基準にする三つの軸:2 静的安定と動的安定:3 空力モーメント:4 縦の安定性:5 方向安定性:6 横の安定性:7 横揺れと翼端失速:8 横の動的不安定性)
10 構造と強度(1 翼の曲げモーメントと応力:2 材料の強さ:3 荷重倍数:4 応力外皮構造:5 胴体の強さ:6 破損防止の留意点)
11 模型飛行機の工作法(1 用具:2 胴体の工作法:3 翼の工作法:4 プロペラの工作法)
12 自由飛行のスケールモデル
13 模型飛行機の調整と飛ばせ方(1 飛行場所と許容風速:2 調整とその順序)
14 設計実例(1 「YW-0型」模型飛行機:2 「YW-1型」模型飛行機)
参考文献:索引

説明

昨今は、模型飛行機といえば無線操縦のR/C機(Radio controlled model aircrafts)を指すほどにR/C機が普及している。その製作法や操縦法についてのガイドブックや雑誌、カタログなどは多数出版されており、また多種多様の組立て機材や関連するR/C機器も豊富に市販されている。ところが一方、模型飛行機の原点ともいうべき自由飛行の模型飛行機、すなわちF/F機(Free flight model aircrafts)になると、著書や雑誌の記事も極端に少なく、模型店やスーパーの片隅にライトプレンか、それに類する機材が置かれている程度である。これも時代の流れで、模型マニアの好みの問題と片付けてしまえばそれまでだが、模型飛行機の調和ある普及という視点からすると若干の疑問が残る。何故ならR/C機は、決してF/F機の延長線にあるわけではなく、両者は全く異なった性格を持つものだからである。つまり、F/F機が原則として滞空時間を競うのに対して、R/C機は高等飛行(Aerobatics)の操縦技術や実用機との相似の度合(スケール性)などを追究するものである。したがって、設計や製作、競技についての興味の在り方、重点の置き方は両者で自ずと異なっているといってよい。自由飛行の模型飛行機は、文字どおり自由に飛ばすので、良好な安定性が求められるほか、その中核を占めるゴム動力機は、滞空中の駆動トルクの変化とプロペラの適合性、緩上昇と急上昇の利害、得失など、理論的にも技術的にもかなり高度のものを含んでおり、奥深い興味を引くものである。著者が本書の執筆を思い立った第一の動機はそこにある。

一口に模型飛行機といっても実際に空を飛ぶのであるから、飛行原理そのものは実用機のそれと何ら異なるものではない。しかし、多くの模型マニアが一度は経験することであるが、低翼単葉の実用機と同じ形態で、ただ寸法だけを縮小した、いわゆるスケール機(Flying scale models)を作った場合に、それが快翔するであろうか?自由飛行形式では、例外を除いて飛ばないという方が正しい。それは、実用機の場合、操縦者や自動操縦装置が絶えず飛行姿勢を適正に保っているのに対して、自由飛行の模型飛行機にはそのような機能はなく、機体が高度の安定性を持つものでなければならず、低翼単葉のスケール機では、そのような条件を満たすのが無理なためである。また、模型飛行機は寸法が小さく、速度も低いので、飛行状態は実用機とかなり違っており(例えば、レイノルズ数が極端に低い)、そのことが性能や安定に及ぼす影響も無視できない。要するに、模型にはそれなりの特徴があるのであって、そのことをよく踏まえておかないと失敗することも多い。ただし、基礎原理は実用機と変わらないので、よく飛ぶ模型飛行機を作るためには、少なくとも初歩的な航空力学や材料強度学の知識は必要である。そして、それを基礎にして自身で創意、工夫しながら設計、製作することが進歩につながり、模型飛行機製作の意義を倍加させることになると思う。そのような観点から、本書では模型飛行機独特のノウハウについて述べると同時に、ホワイ(何故か?)に力点を置いて基礎原理をわかりやすく解説し、設計上の要点や製作上の注意事項について言及する。そして、繁雑な数式は極力避け、物理的な説明に重点を置くと同時に、多くの具体的な例題によって理解が深まるように工夫した。

レビュー

レビューはまだありません。

“模型飛行機の科学” の口コミを投稿します

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です