植物育種原理

4,840 (税込)

植物育種を実践的技術として位置づけ、育種の基本原理を体系的に記述し、組換え作物や品種登録等も解説。

在庫あり

カテゴリー: ,
著者:
判型 A5判
第1版
ページ数 322
発行日 2003/11/20
ISBN-13 978-4-8425-0352-3 C3061
ISBN-10 4-8425-0352-1
JAN 1923061044006
Yahoo!ショッピング でのお取り扱いについてはお問い合わせください。
Amazon紀伊國屋書店セブンネットショッピング
図書館: カーリル
※当サイトの書影データはご自由にお使いください。
書影のダウンロード: メイン画像

目次

第1章 栽培植物の進化と遺伝的多様性の解析
 1.高等植物の出現と進化
 2.栽培植物の選択
 3.栽培植物の起源と多様性の中心
 4.栽培化シンドローム
 5.雑草と二次作物の進化
 6.品種分化と遺伝的多様性の解析
第2章 植物遺伝資源の保全と管理
 1.植物遺伝資源をめぐる内外情勢
 2.農業生物資源ジーンバンク
 3.国際遺伝資源計画
 4.生物遺伝資源をめぐる権利問題
第3章 植物形質の遺伝原理
 1.植物の生活環
 2.核相交代と細胞分裂
 3.メンデルの遺伝の法則
 4.組換えと連鎖地図
 5.遺伝子間相互作用
 6.細胞質遺伝(母性遺伝)
 7.倍数性の進化と倍数体の作出
 8.ゲノムとゲノム分析
第4章 組織・細胞培養と遺伝子機能の発現
 1.器官・組織・細胞などの培養
 2.細胞融合
 3.遺伝子とDNA69
 4.DNAの複製
 5.遺伝子発現のセントラルドグマ
 6.遺伝子の発現調節
 7.遺伝子の単離とクローニング
第5章 組換えDNAとGM作物の開発
 1.組換えDNAの原理
 2.抗菌性タンパク質遺伝子導入による耐病性イネの開発
 3.GM作物の栽培・普及の現状と問題点
 4.植物育種における生物工学技術
第6章 植物の生殖様式と集団構造
 1.植物の生殖様式
 2.植物集団の構造
 3.Hardy-Weinbergの法則
 4.自殖集団と他殖集団の構造比較
 5.連鎖平衡と連鎖打破
第7章 量的形質の遺伝解析
 1.Johannsenの純系説
 2.ポリジーン
 3.量的形質の遺伝
 4.遺伝変異と環境変異
 5.分散分析による遺伝分散成分の推定
 6.親子間共分散による相加分散成分の推定
 7.ダイアレル分析による遺伝変異の解析
第8章 育種目標と育種計画
 1.育種目標の設定
 2.収量性の向上
 3.品質成分特性の改良
 4.環境ストレス耐性の向上
 5.早晩性と作型分化
 6.育種計画の策定
 7.育種の流れと育種体系
第9章 遺伝変異の誘発と選抜基本集団の養成
 1.育種素材の選定
 2.人工交配
 3.染色体異常
 4.突然変異
 5.培養変異
 6.組換えDNA
 7.選抜基本集団の養成
第10章 自然選択と人為選抜
 1.自然選択と環境適応
 2.自然選択のタイプ
 3.選抜単位と選抜効果
 4.個体選抜と系統選抜
 5.遺伝率の推定
 6.後代検定に基づく選抜
 7.循環選抜
 8.戻し交配法
 9.選抜基準と選抜指数
 10.DNAマーカー選抜
第11章 純系改良(IBL)方式
 1.自殖性作物の育種法
 2.遺伝変異の誘発
 3.遺伝変異の固定と基本集団の養成
 4.個体選抜
 5.自殖系統の養成と系統選抜
 6.イネ品種「どんとこい」の育成
 7.新品種の維持と増殖
第12章 開放受粉集団改良(OPP)方式
 1.集団構造と遺伝子頻度の変化
 2.人為選抜による遺伝的進歩
 3.表現型による集団選抜
 4.後代検定に基づく集団改良
 5.合成品種の育成
第13章 一代雑種改良(HYB)方式
 1.雑種強勢(ヘテロシス)の効果
 2.雑種強勢発現の原理
 3.組合せ能力の検定と評価
 4.一代雑種(F1)品種の開発
 5.単交配による一代雑種トウモロコシの育成
 6.一代雑種種子の生産技術
第14章 栄養系改良(CLO)方式
 1.遺伝変異の誘発
 2.栄養系(クローン)養成と選抜
 3.ジャガイモとナシの品種開発
 4.クローン増殖
 5.ウイルスフリー種苗の生産
第15章 選抜系統の特性検定
 1.病害虫抵抗性
 2.環境ストレス耐性
 3.品質・成分特性
第16章 環境適応性と安全性の評価
 1.環境適応性と遺伝子型×環境相互作用
 2.分散分析による環境適応性評価
 3.回帰分析による広域適応性の評価
 4.育成系統の地域適応性検定
 5.GM農作物・食品の安全性評価
第17章 品種登録と種苗増殖
 1.種苗登録による育成者の権利保護
 2.農林番号登録と新品種の奨励普及
 3.種苗の増殖
 4.組織培養によるクローン増殖
 5.DNA分析による品種鑑定

索 引

説明

地上の生きとし生けるものは、植物の光合成により作られる有機物質を利用して生存している。人類も例外ではなく、農作物を栽培したり、家畜を飼育したり、農畜産物を加工したりして、生活に必要な物資や資材を得ている。農業生産では、育種技術により品種の遺伝的能力を高め、栽培技術によりその能力を発揮させ、農作物の収量や品質を高める。農業生産や農畜産物の加工に必要な技術は、作物品種、肥料、農薬、農機具などの資材開発を行うハードテクノロジーと、栽培、農作業、灌漑、施肥、病虫害防除、農産加工などに関連するソフトテクノロジーとに区分できる。
作物育種の講義では、農作物の品種開発に直接関連する技術が論ぜられる。一般の人々の関心も品種開発の具体的方法より品種の特性や栽培法に関心が集まりがちである。
厳しい農業情勢の下で国産農産物の国際競争力を高めるには、生産や流通の合理化による抜本的なコスト低減とともに、ユニークな品質・成分をもつ作物品種を開発し、より付加価値を高めることがとくに重要である。
本書では、植物育種を実践的技術として位置づけ、遺伝学や生物工学技術(バイオテクノロジー)に関連する記述を最小限にとどめ、育種技術の基本原理を体系的に整理し記述するとともに、次の点に特色を持たせた。
1。農作物の繁殖様式と植物集団の構造との関連に基づき、作物育種の基本原理を体系的に整理して記述した。
2。遺伝子、染色体、ゲノム、個体、集団のあらゆるレベルの原理を包括的に解説した。
3。組織培養、細胞融合、組換えDNAなどの生物工学技術を作物育種の部分技術として位置づけた。
4。国際的に深刻化している遺伝資源、品種、種苗、遺伝子をめぐる知的所有権問題をやや詳しく論じた。
5。組換え作物の生態系影響評価や組換え食品の安全性評価について記述した。(序文抜粋)

レビュー

レビューはまだありません。

“植物育種原理” の口コミを投稿します

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です