説明
巻頭記事「技術の伝え方 〜平成の次の時代に向けて〜」
技術伝承は多くの企業で取り組んでいるものの、思うように進んでいないのが実態である。
事業継続の課題でもあるにも関わらず、目先の課題を優先し効率的な進め方ができていないのである。
技術を整理・体系化し伝えていくためには、多くの時間と投資が必要なうえ、
整理・体系化そのものの投資対効果が不透明なため技術伝承が先送りされているのである。
一方、技能という考え方もある。技能とは人が行う働きや動きなど主観的なもので、人を介在する
ことでのみ伝承ができ、個人がもつ能力で個人に帰属するものと定義している。人間の行動や考えには、
この技術と技能が混在しており、その多くが暗黙知の状態(ブラックボックス状態)となっている。
平成の次の時代へ伝えるには、この暗黙知の状態から形式知化された共有知として伝える場合と、
暗黙知の状態で属人的に伝える場合が考えられる。いずれにしても、暗黙知を可視化し形式知可能な
技術と暗黙知状態の技能に識別したうえで、形式知可能な技術は再現可能な形に標準化しておかないと
共有知としての伝え方はできない。
次世代へ技術を伝えるには、暗黙知状態から如何に可視化(識別と形式知化)していくかということと、
技術者個人が属人的に保有している技術に如何に対応するかという双方の観点から考える必要がある。
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