説明
新連載「Flowsquare+による数値熱流体力学」
本連載では、手軽に数値熱流体解析を実施可能なFlowsquare+の使い方およびFlowsquare+を用いた数値流体力学(CFD)について解説する。ここで、「手軽に」というのは、多くの熱流体解析ツールの利用において通常必須である、
- 仮想環境などの特別な環境構築や外部ソフトのインストール
- ユーザー関数作成
- CADツールによるモデル作成(境界条件作成)
- 計算メッシュ作成
- 前処理および後処理
などの手順の必要がなく、流体シミュレーションの実施が可能という意味である。
また、以下にFlowsquare+の開発コンセプトを公式サイト(https://fsp.norasci.com/)より抜粋する。
Flowsquare+(フロースクエア・プラス)は、手軽に使える流体シミュレーション・ソフトウェアです。安価(無料)で、易しい操作性を有する流体解析ツールにより、数値流体力学を身近にするという目的で開発されました。
つまり、Flowsquare+は、流体シミュレーションに直接関係のない手順を極力自動化・簡略化し、非専門家を含むユーザーができるだけ抵抗を感じることなく解析を実施できるような、数値熱流体解析ツールなのである。
このように易しい操作性を有するFlowsquare+ではあるが、数値流解析固有の物理的・数値的な要求や制約から無縁というわけではない。Flowsquare+を用いると、より多くのユーザーが流体解析を実施し、カラフルで説得力のある可視化結果を得ることができる。しかし、その可視化結果の信頼性やシミュレーションに用いた仮定の妥当性を把握するには、流体の特性だけでなく、ソルバーに採用されている数値手法の理解も必要である。もちろん、これら知識は、Flowsquare+を用いた流体解析のみに必要なのではなく、市販の数値熱流体解析ツールを用いた場合も同様に必須である。
したがって本連載では、Flowsquare+の利用方法だけでなく、数値流体解析をより効果的に活用するための物理的・数値的な知識やその使い方も紹介しつつ、Flowsquare+を用いた数値熱流体力学について解説する。
Nora Scientific代表
東京工業大学 工学院 助教
源 勇気
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