説明
巻頭記事「ロボットシステムとROS」
ROS(Robot Operating System)は、ロボットシステムを適切に実装するための有力な手段である。登場してからすでに10年以上が経ち、少なくとも大学などの研究機関ではかなりの市民権を得ているといってよい。また、ロボット製品を製造・販売する会社などにおいてもよくしられた存在であろう。ロボットが関わる学会などで製品を出展した際には「ROS対応はされているか」と質問を受けることも多いのではないだろうか。また、現在では解説文書や書籍も多く世に出ており、初学者にとって決して敷居の高い存在ではなくなっている。
本稿では、ROSとの関わりをもちはじめたばかり、もしくはこれからROSに関わろうとする読者を対象としたROSの紹介をおこなう。最初にROSというソフトウェアの概要を説明する。今現在は旧来のROS(ROS1)からROS2へ移行する過渡期であるともいえるため、まずはROS1とROS2に共通するコンセプトを概説し、必要に応じてROS1とROS2の違いを説明する。
つぎに、ROSというキーワードのもとで組織されているいくつかのコミュニティ活動について述べる。具体的には、ROS Japan Users GroupやROSConである。これらを紹介することで、いかにしてROSの情報を得やすい立ち位置に身を置くかのヒントとしていただく。
東北大学 タフ・サイバーフィジカルAI研究センター 特任准教授
岡田佳都
信州大学 工学部 機械システム工学科 教授
山崎公俊
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