説明
巻頭記事「課題解決型学習(PBL)と課題発見型学習(PCL)」
国立大学が法人化するまでは、
教育においては知識インプット型授業が多く、
企業との共同研究においては契約の仕組みが
未整備だったために大学と企業の連携は
十分には進んでいなかった。
しかし、2003 年の法人化をきっかけに、
欧米と同様な形で企業との共同研究が増え、
教育においてはアウトプット型教育の重要性が
一気に高まった。
東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻では、
2004年度から、スタンフォード大学がさきがけて
実施していた、企業からの課題に学生がグループで
取り組むアクティブ・ラーニングの一種である
課題解決型学習(PBL; Project–Based Learning)
を取り入れた大学院生向け演習型授業
「設計生産フィールドワーク」
を提供してきた。
さらに、2019年度から、東大-ソニー社会連携講座
「創造設計とスタートアップの実践(通称:Ignite Your Ambition)」
が設置されるのと同時に、授業内に
課題発見型学習(PCL; Project–Creation Learning)の枠を設け、
50名以上の大学院学生の教育をしてきている。
PCLでは、企業からの具体的な課題に取り組む
のではなく、世の中にない新しい課題を自ら発見し、
その解決策を創出する点が異なる。
本報では、設計生産フィールドワークの教育内容の
紹介として、PBL・PCLの概要、およびPCLの中の
東大-ソニー社会連携講座の活動の概要を説明する。
東京大学 大学院工学系研究科 准教授
長藤 圭介
東京大学 ソニー東大東京藝大社会連携講座担当 非常勤講師
杉上 雄紀
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