機械の研究 2022年4月1日発売 第74巻 第4号

2,750 (税込)

本誌「機械の研究」は、1949年(昭和24年)、それまでの
機械工学の概念を脱却して、工学・工業の一環としての機
械工学に関する新しい研究と技術の進歩を提供する事をそ
の主眼に創刊した月刊誌です。工学全般・工業に関連した
研究分野において、最新かつ重要な学理および興味深い研
究成果を平易に解説しています。

在庫あり

判型 B5判
発行日 2022/04/01
JAN 4910028170424
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目次

巻頭連載

CISSにおけるシミュレーションソフトウェア開発と利用(7)
分子軌道法によるタンパク質のシミュレーション

東京大学 大学院 生産技術研究所
佐藤文俊

展望・総説・総論

広範囲の寸法の表面き裂の直流電位差法評価(1)

電子磁気工業(株) 顧問
東北大学 名誉教授
坂 眞澄

電子磁気工業(株) 開発部 次長
岩田成弘

電子磁気工業(株) 代表取締役
児島隆治

連載講座

機械構造用金属材料の超高サイクル疲労(43)
6. VHCF-2~VHCF-4の10年間の研究動向(23)
15 NIMS における超高サイクル疲労特性に関する研究の取組み(続き)

立命館大学 名誉教授
酒井達雄

脱炭素社会を実現するための材料複合化技術(4)
セラミックス基複合材料(CMC)と耐環境コーティング(EBC)その1

一般財団法人 航空宇宙技術振興財団 評議員
伊藤義康

CFDの基礎講座(追補1)
有限要素法を用いたCubicDEL法の改良

慶應義塾大学 名誉教授
棚橋隆彦

植物の葉や花に関する力学的研究(4)
オジギソウの小葉にみられる折り畳み・展開構造

(株)衝撃工学研究所 執行役員
大阪大学 名誉教授
小林秀敏

特別講座:機械系大学院入試問題演習(17)

オイラーの運動方程式の優しい導出について(3)

神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦

コラム:一杯のコーヒーから(183)

Natural Intelligence その4

Stanford University visiting professor
慶應義塾大学 顧問
福田収一

新刊紹介

入門モータ設計 : 仕様を定めるために知っておきたい設計の基本
森本,雅之
出版社:森北出版
定価:3,000円+税
発売日:2024年4月16日
ISBN:978-4-627-74441-7

歴史に学ぶ「機械の研究」

工学・工業界ニュース

説明

記事ピックアップ
「広範囲の寸法の表面き裂の直流電位差法評価(1)」

機器・構造物の安全な使用にはき裂の非破壊検査が不可欠である。そのための手法の1つに直流電位差法があり、これに関する多くの先駆的な研究がなされてきた。

従来の研究の中で、直流電位差法で表面き裂とよばれる被検査物表面に突き出たき裂を高感度に計測し評価する手法として、近接端子を導入した手法(Closely Coupled Probes Potential Drop Technique;CCPPD法)の提案がある。この手法は、電流入出力と電位差計測の合計4本の端子を近接させて設置したセンサを被検査物表面に接触させることにより、極めて高感度に小さい表面き裂の寸法(被検査物表面からの奥行深さ)を評価することを実現したものである。長方形板状の2次元き裂のみならず半だ円板状3次元き裂まで対象とできる。またこの手法はき裂の非破壊評価においてしばしば問題となるき裂閉口に鈍感であり、影響されにくいことが示されている。

ところで近接端子直流電位差法は、小さい表面き裂を高感度に計測して評価することを目的として開発されたものであるため、き裂が大きくなり、その奥行深さが大きくなると、計測される電位差の値がき裂深さに対して飽和傾向を示すようになり、電位差計測から き裂寸法を精度よく評価することが困難となる。これを踏まえ一例として、電流入出力端子間隔が6  mmで電位差計測端子間隔が3  mmなるセンサを使用した場合には、き裂深さが目安として5  mm程度より小さいき裂への適用が推奨されている。また、大きなき裂評価にともなうこのような問題点を解決するために、大きなき裂に対して端子間隔を広げる手法が提案された。そこでは2次元き裂を対象として先駆的な手法が示されている。

本稿は以上に鑑み、2次元のみならず3次元の表面き裂をも対象とし、はじめに当該センサにおいて端子間隔とき裂寸法の比を保ったとき、電位差とき裂寸法との間の無次元関係式(き裂評価式)はき裂寸法の大小によらず不変であることを示す。つぎにこれを踏まえて、大きいき裂に対しては端子間隔を広げるが、ただし端子間隔を比例的に、すなわち電位差計測端子間隔に対する電流入出力端子間隔の比は保ったまま端子間隔を広げるという工夫を新たに導入し、近接端子直流電位差法を き裂評価式は生かしたままで大きいき裂に拡張する方法を提案する。これにより小さいき裂から大きい き裂まで広範囲の表面き裂の寸法(奥行深さ)評価を可能にする。

電子磁気工業(株) 顧問
東北大学 名誉教授
坂 眞澄

電子磁気工業(株) 開発部 次長
岩田成弘

電子磁気工業(株) 代表取締役
児島隆治

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