リスクベースマネジメントにおける影響度評価

3,300 (税込)

「影響度評価」に焦点を絞り、その考え方・手法をわかりやすく解説

在庫あり

判型 A5判
初版
ページ数 205
発行日 2020/03/31
ISBN-13 978-4-8425-0576-3 C3053
ISBN-10 4-8425-0576-1
JAN 1923053030000
図書館: カーリル
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目次

執筆者
序文

第1部 影響度評価の基本技術

第1章 リスクマネジメントとリスクの評価

1.1 リスクの定義
1.2 リスクマネジメントの概要
1.3 プロセスの安全マネジメント
1.4 化学プロセスのリスクアセスメント

第2章 プロセスプラントにおけるリスクの影響度評価方法

2.1 プラントの危害発現とその影響評価
2.2 危害の影響評価手順の概要
2.3 流出源モデルによる保有流体の漏洩評価
2.4 漏洩流体による影響の評価
2.5 影響の緩和と低減の方法
2.6 ドミノ効果
2.7 リスクアセスメントにおける火災,爆発,毒性の生体影響評価の基準値
2.8 影響度の評価支援ツール

第3章 RBI(Risk-based Inspection)規格における影響度評価方法

3.1 各機関から提供されているRBI規格の概要
3.2 API RP581 Risk-based Inspectionによる影響度評価方法の概要
3.3 RIMAP-CWA 15740によるRBI評価手法の概要
3.4 EN 16991 Risk-based Inspection Framework(2018)について
3.5 消防庁特殊災害室:石油コンビナートの防災アセスメント指針

第2部 シミュレータによる影響度評価

第4章 シミュレータを用いた影響度評価

4.1 各種シミュレーションツールの概要
4.2 各種シミュレーションによる評価の比較
4.3 まとめ

第5章 シミュレータによる評価事例

5.1 概要
5.2 ケース 1:安全弁からのブタン放出
5.3 ケース 2:臭素タンクからの液漏洩
5.4 ケース 3:ガス吸収塔からのアンモニア放出
5.5 ケース 4:LPG フレアスタックからの熱放射強度

第6章 タンク火災・内容物拡散のシミュレーション

6.1 石油化学プラント災害の現状と影響度評価
6.2 モンテカルロ法によるタンク火災のふく射熱評価
6.3 FDSによるタンク火災の火炎挙動のシミュレーション
6.4 減災を考慮した拡散影響評価シミュレーション

第3部 影響度評価の応用と意思決定

第7章 ライフサイクルメンテナンスと影響評価

7.1 ライフサイクルメンテナンスの概念
7.2 劣化・故障と影響カテゴリ
7.3 影響特性とメンテナンス管理方針
7.4 影響評価のためのライフサイクルシミュレーション

第8章 通信分野での事例

8.1 はじめに
8.2 評価事例
8.3 おわりに

第9章 産業界のリスクマネジメントと保険の課題

9.1 リスクとリスクマネジメント
9.2 リスクの分類
9.3 リスク転嫁手法の検討
9.4 リスクマネジメントと保険
9.5 現状の保険と問題点
9.6 保険業界の課題と将来
9.7 まとめ

第10章 影響度の評価方法のさらなる検討

10.1 はじめに
10.2 マクロレベルにおけるリスクの簡易表現
10.3 科学的側面におけるリスクの本質と特性
10.4 社会的側面におけるリスクの本質と特性
10.5 リスクの科学的側面と社会的側面の統合
10.6 リスクマネジメント
10.7 おわりに

索引

説明

本書は「リスクベースメンテナンス入門 ─RBM─」に続く第2弾の出版になる。

リスクの語源は「航図なき航海に出発する決断」であり、リスクは「自然にある」ものではなく、「ある目的のため不確実性のある行為を意思を持って行う」ものである。「リスクをとる」と表現するのが相応しく、しかるべき立場の方が決断するものである。

そのための手法を提供するものの一つが

「─RBM─ リスクベース(メンテナンスあるいはマネジメント)」

である。

一般に、「リスク=発生確率×被害の影響度」として評価される。被害の影響度は関わる多くの因子が個別的で一義的に定めることが困難であるため、リスクの評価が難しいものとなっている。

本書では「影響度評価」に焦点を絞り、その考え方・手法をわかりやすく解説している。

RBMの概念は化学プロセス分野で先行的に活用されてきた。本書では化学プロセス分野での利用状況を紹介するとともに、ほかの産業分野への展開の試みを例示するものである。したがって、読者のそれぞれの分野へのRBM導入、影響度評価への道筋を示す内容を提供している。

JSPSの委員会がほかの委員会と異なる点は、業態を超え、学術的に貢献せんとするところにある。その意味からも本書が多くの産業分野で貢献できることを期待するものである。

本書は3部からなっている。
第1部では「影響度評価の基本技術」を紹介し、リスク概念の再確認、重要性、国際動向を示している。
第2部は「シミュレータによる影響度評価」を紹介し、いくつかの事例について詳しく示している。
第3 部では「影響度評価と意思決定」に関連し現状の課題、さらなる検討すべき問題点を示した。

インフラの適正なメンテナンス・マネジメントには各種のコード・規程などが深く関わる。経営の立場からはリスクヘッジのための保険の在り方も重要である。

本書ではこの問題についても保険業界からの考え方を示しているので、参考にされたい。

JSPS180委員会では、今後、「損傷形態と発生確率」についてもその成果を開示していく予定である。

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