国際土壌年2015と農学研究―社会と命と環境をつなぐ (シリーズ21世紀の農学)

2,037 (税込)

本書は2015年10月3日に国際土壌年を記念して行われた日本農学会シンポジウムで行われた講演から, 様々な分野を代表する専門家が土壌について書き下した論説をまとめた1冊。

在庫あり

判型 A5判
第1版
ページ数 163
発行日 2016/04/05
ISBN-13 978-4-8425-0543-5 C3061
ISBN-10 4-8425-0543-5
JAN 1923061018526
図書館: カーリル
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目次

はじめに
第1章 100億人時代における土壌の役割
第2章 地球温暖化に関わる森林の土壌有機物の炭素貯留特性
第3章 食生活の変化と土地利用方式の革新
第4章 畜産と土壌を結ぶ物質循環の重要性
第5章 土壌環境が支える草本植物の種多様性
第6章 土壌DNA診断を活用した新しい土壌病害管理
第7章 水田生態系の中の放射性セシウム
   ― 伊達市の水稲試験栽培3年間の記録 ― 
第8章 水環境保全を目指した土壌侵食対策
第9章 里海と土壌
   ― 森里海のつながりと沿岸海域の生産力 ―
あとがき 
著者プロフィール

説明

 どういう興味をもつかで土の見方は違う.陶芸の材料, 抗生物質産生菌の探し場所, 工業素材, 建設・防災資材, 画材, 汚れの原因, 警察の鑑識, 軍事, それぞれの目的によって必要な土の知識は違う.何となく興味があるという動機では参考書を探すのも難しかろうと思う.
 陶芸などの広い用途での「土」は物質であるが, 農業を営む上での「土」は大小の鉱物が骨格をなし, 空気と水を通し, 留める空間をもつ構造体であり, これに水や植物遺体が加わり, 小動物や微生物が生活する.農業ではこの総体を「土」として利用する.その性格は地形や表層地質とも関連をもち, 単なる物質とみるわけにはいかない.やはり, 「土壌」という呼称の方がよいと思っている.
 地殻の構造や変動を対象とする地学や地質学では土壌は地表にたまったチリに過ぎないが, 人類が農業を発明し, 他の動物にはみられない持続的な繁栄を可能にして以来, 農業では重要な存在でありつづけ, 農学では常に重要な研究対象であった.
 稲作が水田土壌という独特の土壌を生み出したように, 土壌は人とともに変貌した.現代農業は作物生産の目的に適うように土壌を管理している.農業が, 曲がりなりにも地球72億人の人を養うに至ったのは, その方法が大筋において間違っていなかったのであり, それには農学が貢献したと思っている.
  2015年は国際土壌年, 12月5日は世界土壌デーである.
 本書は2015年10月3日に国際土壌年を記念して行われた日本農学会シンポジウムで行われた講演から, 様々な分野を代表する専門家が土壌について書き下した論説をまとめたものであり, 国際土壌年2015にふさわしい充実したものが出来上がった.

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