エンジンエミッション計測ハンドブック

5,500 (税込)

排ガス計測技術の集大成!エンジン開発の技術者のみならず広く関連の技術分野で活躍されている方々の専門書。

在庫あり

判型 A5判
第1版
ページ数 243
発行日 2013/04/30
ISBN-13 978-4-8425-0515-2 C3053
ISBN-10 4-8425-0515-x
JAN 1923053050008
図書館: カーリル
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目次

第1章 エンジン排出ガスとは
第2章 エンジン排出ガスの計測
第3章 粒子状物質と黒煙の計測
第4章 蒸散ガスの計測
第5章 排出ガス分析計の原理
第6章 排出ガス試験の設備
第7章 排出ガス計測の実際
第8章 各国の排出ガス規制および国際基準調和
略語一覧・索引

説明

1860年にルノワールが内燃機関の原型であるガスエンジンを開発、1876年にはガソリンエンジンの基本サイクルであるオットーサイクルが発明された。そして1893年にはディーゼルエンジンの開発がなされ、産業用動力源として19世紀末から20世紀前半における加速度的な工業化の大きな推進力となった。一方、これら内燃機関を搭載した自動車の開発は、人間の根源的欲求であるモビリティの実現と自動車の運転という自己実現の手段を提供し、さらには大量生産という手段で自動車をより大衆の身近なものにしたことで、20世紀後半には世界的に自動車の普及が一気に加速された。

しかし、先進国では経済の発展に伴なう大量の石炭や石油などの化石燃料の消費が、工業地域でのSO2やNOxなどの大気汚染と相まって、ロサンゼルスのスモッグ発生に端を発した大都市での自動車排ガス汚染として住民に深刻な健康被害をもたらすことになった。さらにはグローバルな問題として化石燃料の大量消費による地球温暖化が原因で砂漠化や海面の上昇など生物の生存環境へ深刻な影響を与える事が論議されてきた。

これらの環境問題への取り組みは1960年代に入ってやっと本格化し、当初、自動車排ガス汚染の先進国であった米国を中心に積極的にその原因解明や排ガス対策に関して研究が行われた。その後、日本や欧州各国で排ガス低減への技術開発がなされ、近年ではSULEV車では大気に近い排ガス濃度レベルを達成する内燃機関の革新的な進歩がもたらされた。

また、一方では省資源、省エネルギーへの取り組みが求められる時代となり、エンジンの燃費効率改善への要求が高まる中、改めてディーゼルエンジンの高効率が着目され、排ガス中のナノ粒子の制御・低減とNOxの低減というトレードオフの課題に対して高効率クリーンディーゼルエンジンの技術開発も進められてきている。さらには、将来の新しいパワートレインとしてのハイブリッドエンジン、燃料電池車、あるいは代替燃料の開発など恒久的な環境、エネルギー問題解決のための技術革新が求められている。

このようなエンジンや自動車技術発展の過程で、特に1960年代からの各国での厳しい自動車排ガス規制への対応、とりわけ排ガス低減技術の研究開発において最も重要な役割を果たしてきた排ガス分析計測技術とその周辺の計測システム技術は、この50年間著しく進歩し、排ガス制御技術の発展に貢献してきたといえる。

この度、弊社創立60周年を機会に、50年間にわたる排ガス計測技術を集大成して、2005年に発刊したエミッション計測ハンドブックに最新の排ガス低減技術とその計測技術を加え、新訂版として編纂する運びになりました。今後、排ガス計測技術はますます多様化、高精度化が求められシステムとしてもより高度化が進むものと思われます。そのような中で、エンジン開発の技術者のみならず広く関連の技術分野で活躍されている方々の専門書として、また、自動車技術分野に携っておられる若いエンジニアの方々には排ガス計測技術の基本、さらには将来必要となる分析計測システム技術を学ぶ上での入門書として、皆様のお仕事に少しでも貢献できればとの思いで、自動車排ガス分析装置の開発、製造販売を行っている立場からこのようなハンドブックの発刊を企画させていただきました。本書が多くの人の日々の作業をサポートし、さらには産業界の発展に寄与することを念願いたします。

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