パーソナル分散型エネルギーシステム

3,300 (税込)

本書は、自然エネルギーの利用形態の再考察を行い、最も効果的な使い方とパーソナル性を結びつけながら各種エネルギーおよび分散型エネルギーシステムの特徴と現状を詳細に述べている。また、将来展望をまとめ、将来あるべき姿についても提言。

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判型 A5判
第1版
ページ数 212
発行日 2005/01/10
ISBN-13 978-4-8425-0366-0 C3053
ISBN-10 4-8425-0366-1
JAN 1923053030000
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図書館: カーリル

目次

1章 世界と日本のエネルギー動向(1.1 地球規模の気候変動:1.2 人類のエネルギー利用と人口増加:1.3 世界の一次エネルギー消費動向:1.4 地球環境問題の現状と対策:1.5 日本のエネルギー政策)
2章 パーソナル分散化が注目されるエネルギーシステム(2.1 分散型エネルギーシステムの定義:2.2 分散型エネルギーシステム:2.3 エネルギー貯蔵システム:2.4 パーソナル分散化)
3章 太陽光発電システム(3.1 太陽光発電システムの現状:3.2 太陽電池の基礎:3.3 系統連系型の太陽光発電システム:3.4 独立型の太陽光発電システム37
3.5 モバイル機器用電源:3.6 太陽光発電システムの今後)
4章 太陽熱・光利用システム(4.1 太陽熱・光利用システムの昨今:4.2 大規模システムの特徴と動作原理:4.3 パーソナルシステムの特徴と動作原理:4.4 太陽熱・光利用システムの今後)
5章 風力発電システム(5.1 人類の風力利用:5.2 風力発電システムの現状:5.3 風力発電システムの基礎:5.4 系統連系型風力発電システム:5.5 独立型風力発電システム:5.6 マイクロ風力発電システム)
6章 水力発電システム(6.1 水主火従から火主水従へ:6.2 水力発電システムの現状:6.3 水力発電システムの基礎:6.4 マイクロ水力の可能性:6.5 水力発電システムの今後)
7章 燃料電池システム(7.1 期待される燃料電池システム:7.2 燃料電池システムの基礎:7.3 燃料電池システムの開発の現状:7.4 燃料電池システムの技術課題:7.5 燃料電池システムの今後)
8章 エンジンシステム(8.1 人類とエンジン:8.2 エンジンの基礎:8.3 エンジンシステムの発電効率:8.4 コジェネレーションシステム:8.5 バイオマス発電、廃棄物発電:8.6 エンジンシステムの今後)
9章 熱電発電システム(9.1 熱電変換素子の歴史:9.2 熱電発電システムの基礎:9.3 熱電発電システム開発の現状:9.4 熱電発電システムの課題:9.5 熱電発電システムの高効率化:9.6 熱電発電システムの今後)
10章 圧電発電システム(10.1 身近に使われる圧電変換素子:10.2 圧電発電システムの基礎:10.3 圧電発電システム開発の現状:10.4 圧電発電システムの課題:10.5 圧電発電システムの今後)
11章 エネルギー貯蔵システム(11.1 バグダット電池:11.2 エネルギー貯蔵システム開発の現状:11.3 分散型エネルギー貯蔵システム:11.4 分散型エネルギー貯蔵システムの今後)
12章 分散型エネルギーシステムのトラブル(12.1 分散型電源のトラブル:12.2 電源システムの構成とトラブル:12.3 トラブルの現状:12.4 トラブル対策:12.5 分散型エネルギーシステムのトラブル対策の今後)
13章 パーソナル分散型の将来展望(13.1 パーソナルエネルギー消費量の増加:13.2 各種電子・電気機器の消費電力量の比較:13.3 各種エネルギー変換による発電システム:13.4 地球環境問題解決と快適・利便なライフスタイルを目指して)
索引

説明

2003年夏、世界各地で「異常気象」が相次いで報告された。イギリスでは38.1℃、フランスでは42.6℃など、欧州各国では8月に記録的な猛暑に見舞われた。フランスでは、干ばつによる農作物の被害が1,400億円に達し、熱中症での死者が10,000人を超した。スイスでも同国観測史上最高の41.5℃を記録して氷河が溶け出し、河川の増水、土砂崩れなどが発生した。シベリアでも平均気温が平年より4℃から6℃上昇した。北米中部や中国南部から台湾にかけても高温・少雨の天候が続き、上海で39.6℃を記録したのは60年ぶり、台北市で38.8℃を記録したのも100年ぶりで、降水量も例年の10~30%と干ばつが深刻化した。

一方、中国中部の江蘇省では7月の豪雨で洪水が発生し、約3,000万人が被災した。インドでは5、6月に気温が49℃に達し、南西部を中心に死者が1400人に達したが、一転して7月にはニューデリーで降雨量600mmを記録するなど、北部で平年の4~14倍の多雨を記録した。南米アルゼンチンでも、平年の5~23倍の多雨を記録した。日本でも10年ぶりに梅雨明けが遅れ、低温と日照不足が農作物に与える影響が深刻化した。気象学者が「この猛暑は自然の変動範囲を超えている。温室効果ガスの蓄積など、人為的な原因によるものではないか」と分析している。

2004年の夏も、日本列島は「異常気象」の報告が相次いだ。最高気温が30℃を越す真夏日の記録も各地で更新し、東京では観測史上初となる40日連続の真夏日を記録した。7月には最高気温が39.5℃達し、地球温暖化を肌で感じる夏であった。一方、新潟や福井では局所的豪雨により大きな被害が発生したうえ、相次ぐ台風の日本列島上陸により被害がさらに拡大した。

このような地球規模での環境問題に対して、この15年間は産業界を主体とした省エネルギー政策が推進され、大きな成果をあげてきた。最近のエネルギー需要動向を見ると、これからは国民一人一人が個人のライフスタイルを変革し、さらなる省エネルギーの実践と、新エネルギーの積極利用を推し進めることが重要と考えられる。

一方、電力自由化や地球環境問題がクローズアップされる中で、従来の大規模発電システムの高効率化とともに、将来像として大規模集中発電システムと分散型電源システムが適性にバランスした社会システムが指向されつつある。しかし、分散型電源のシナリオには多くの選択肢があり、必ずしも定式化されていないのが現状である。いずれ、設備費、発電単価、環境負荷レベルなどの観点から、ある種の方向性が出てくるものと考えられるが、現時点でどのような展開の可能性があるのかを探ることは重要である。

以上の観点から、株式会社東芝 電力・社会システム社電力・社会システム技術開発センターでは、現在のエネルギー動向から分散型電源化の重要性を認識するとともに、急速にパーソナル化が進む分散型エネルギーシステムの開発現状と課題、将来展望について調査し、議論を進めた。その結果について分担執筆し、編著者がこれを取りまとめたものが本書である。

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