独創的ロボットの研究開発

3,080 (税込)

日本唯一の独創的産業用ロボットと世界で評価されるスカラロボットを開発した研究哲学、戦略を平易解説。

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判型 A5判
第1版
ページ数 201
発行日 2002/06/10
ISBN-13 978-4-8425-0331-8 C3053
ISBN-10 4-8425-0331-9
JAN 1923053028007
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図書館: カーリル
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目次

緒論独創的ロボットの研究戦略
1.研究の哲学と目的
2.粉体工学、流体工学からロボット工学の研究へ
3.スカラロボットの研究開発
4.ノンホロノミックロボットの研究開発
5.人間支援用ロボットの研究開発
6.まとめ

1章 平行二輪車ロボット
1.平行二輪車の研究概要
2.平行二輪車の機構と制御
3.直立姿勢と走行制御の実験結果
4.二腕付き平行二輪車
5.平行二輪車の可変構造化、作業用ロボットへの応用
6.平行二輪車を主体とした可変構造型ロボットの研究動向
7.まとめ

2章 一輪車ロボット
1.1990年までの一輪車に関する研究
2.人間が乗るタイプの一輪車(1):非自立型
3.人間が乗るタイプの一輪車(2):自立型
4.エントロピーに基づいた制御性評価法
5.球状一輪車ロボット
6.まとめ

3章 動作がユニークな面白ロボット
1.面白ロボットのアイデア発想法
2.一本足ロボット
3.樽乗りロボット
4.床運動ロボット
5.跳躍移動ロボット
6.まとめ

4章 雲梯渡りロボット
1.非駆動関節をもつメカニズム
2.ブランコ(二重振子)の振動
3.雲梯渡りロボットの開発と運動シミュレーション
4.空中移動ロボットの雲梯渡り実験
5.ブラキエーションを利用した移動ロボットの研究
6.折りたたみロボット
7.まとめ

5章 猫ひねりロボット
1.猫ひねり動作
2.猫ひねり動作の解析
3.猫ひねりロボットの開発と制御法
4.猫ロボットとその後の猫ひねり研究
5.猫ロボットの空中浮上と軟着地
6.三次元猫ひねりロボット
7.空中に投げられたロボットの軟着地
8.まとめ

6章 なわとびロボット
1.なぜなわとびロボットを研究するのか
2.なわとびロボットのコンセプトと実機
3.1回だけのなわとび動作(単独なわとび)
4.脚に衝撃トルクが加わる場合の制御法
5.連続跳躍動作のための姿勢制御
6.なわとび動作の観察、モデル化とシミュレーション
7.連続跳躍時の姿勢安定と連続なわとび
8.まとめ

7章 物まねロボットと画像認識
1.ロボットの視覚による動作と環境認識
2.物まねロボット:実演によるロボットへの動作教示
3.ジェスチャーによる人間とロボットのコミニュケーション
4.視覚センサを用いた自己位置認識システム
5.生物的実時間画像抽出
6.ロボットを用いた非接触三次元計測
7.まとめ

8章 無人生産支援用知能ロボットシステム
1.知能ロボットの研究成果を無人生産システムへ
2.メカトロニクス技術(MT)の重要性
3.日本における自動組立て技術の発展と課題
4.ホンダヒューマノイドと無人生産支援用ロボット
5.自動組立ての問題点とチョコ停ゼロへの挑戦
6.知能ロボットによる無人生産システムの提案
7.部品供給システムにおける故障と復帰
8.オフラインロボットと周辺機器の開発
10.トラブル診断復帰とパイロットプラントにおける実験
11.まとめ

9章 介護ロボット
1.高齢社会への対応
2.パワーアシスト装置と介護ロボット
3.一腕増力装置
4.人間装着型ヒューマンアシスト装置(HARO)
5.HAROのシステム設計と開発
6.HAROの実験結果
7.HARのシステム設計と開発
8.まとめ

参考文献、索引

説明

研究は人間の知的活動の一つで、それは創造的であること、他人の模倣や追従ではないことが最低の必要条件である。

1978年に、緒論で紹介したスカラロボット研究会が産学共同でスタートした当時は、組立て用ロボットが実用になるのは10年も先のことだと思われていた。

弱小連合で何ができるという冷笑が企業人からも感じられたが、大成功して米国のIBMがスカラロボットを導入すると、国内外で多くの追従者が出た。

1980年代初めの産業用ロボットブームでもスカラ以上のロボット技術は生まれなかったが、1990年代を通じてスカラロボットの世界的普及と非生産分野への進出が特筆される。

本書は1985年から1999年まで15年間、電気通信大学で行った研究を中心として「機械の研究」誌(養賢堂発行)に26回連載した中から、特徴的なロボットを取り上げて研究の背景や目的、戦略、成果などを述べたものである。

研究で最も重要なことは、何のために研究するかということである。それが成功するかどうかは、研究テーマの選択にかかっている。スカラロボットを乗り越えるためにあえて非産業用ロボット、それも人間の身近で人間と共存して人間の役に立つロボットの開発をめざした。これから生まれたロボットは、平行二輪車、猫ひねりロボット、一輪車、雲梯渡りロボット、一本足ロボットなど30種類以上になる。2001年末、米国人の大発明という平行二輪車「Segway」が発表されたとき、“米国人らしい発明だ。日本人には発明の能力はないのか”とネットサイトに書かれたことがあった。著者は「Segway」の基本技術が、1986・1987年度の卒業研究として行った平行二輪車に基づくことを明らかにし、これまで「夢のある研究」として行ってきたものが無意味ではないことを知った。 わが国が、世界規模の先端技術開発競争を勝ち抜いて、今世紀に独創技術大国となるために大切なことは、世界に通用する人材育成、新技術商品開発および科学技術における独創的研究開発の風土を醸成することである。

本書は、独創的研究開発とは何か、そのための戦略をどのように構築するかを考える若手研究者、学生にとって有益であることを確信している。

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