計算力学と社会

2,750 (税込)

本書は2部構成で、①計算力学がどのような社会性を有しているか、②いかに使われ、役立っているかを論述。

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編著者:
判型 A5判
第1版
ページ数 168
発行日 2002/01/10
ISBN-13 978-4-8425-0088-1 C3053
ISBN-10 4-8425-0088-3
JAN 1923053025006
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図書館: カーリル
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目次

第1部 計算力学と社会との関わり[産学連携:わが国における計算力学に関する産学連携の現状/計算力学における産学連携への提言、次世代人材育成のための中等教育のあり方:人材育成の必要性/中等教育における数学教育の現状/提言、学会連携:計算力学の発展/関連学協会の連携/今後の課題、計算力学と技術倫理:求められる技術倫理/計算力学が真に社会に受容されるために、技術者認定:技術者教育の認定制度/計算力学技術者教育の問題点、ネットワーク時代と国際会議:ネットワーク時代の国際協力/国際会議の企画・運営、大規模ソフトウェア開発:大規模ソフトウェア開発の必要性と困難さ計算力学用ソフトウェアの開発体制、環境と計算力学:マクロな環境問題と計算力学/ミクロな環境問題と計算力学、国がなすべき事柄:戦略作成とそのフォローのための場/funding/中立研究センター]
第2部 各専門分野における計算力学と社会的インパクト[感性:人間工学から協調工学へ/感性設計に必要な計算力学技術、プリ・プロセシングの現状と展望:概要/現状と問題点/プリ・プロセシングの展望、可視化技術:背景と定義/発展の経緯/可視化の特長/可視化の課題、創発的現象のシミュレーション:創発的現象/セルラオートマトン/シミュレーションの例、データベースの今後:インターネット時代のデータベース/科学技術計算とデータベース、最適化法の現状と将来:analysisからsynthesisへ/最適化問題とその処理上の問題点/より広範囲な問題の解を求める流れ、逆問題:社会の要請と逆問題解析/逆問題の拡がり/インフラストラクチャの診断などに関連した逆問題解析/逆問題解析/これからの逆問題解析の役割、シームレス解析:シームレス解析を指向したモデリング技法/その他の動き、ハイパフォーマンスコンピューティング:大規模シミュレーションの課題/ハード開発とソフト開発のスパイラル/ソフトウェアの多チャンネル化/IT社会のコンテンツとしての計算力学/ハイパフォーマンス計算力学教育、固体・液体・気体統一解法:統一解法の必要性/表面捕獲/圧力ベース解法による統一解法/将来への展望、計算力学の将来-分子シミュレーションの立場から-計算機利用技術からみた分子シミュレーションの将来、材料設計の将来-感性に駆動された設計:生産者主導からユーザーを基軸に考える時代への転換/ITによる科学技術の変革/知的生産性の向上への施策/感性に駆動された材料設計プロジェクトの提案、構造健全性:構造健全性とは/構造物の損傷と崩壊/構造健全性と計算力学との関わり/計算力学の社会的貢献、大規模構造物・超高層建築・大型橋梁:計算力学の社会的貢献/計算力学とコンピュータの発展/大規模構造物/超高層建築/大型橋梁、気象・気候関係における計算力学:数値予報の歴史/天気予報と数値予報/大気大循環モデルと気候モデル、計算力学による水害予測シミュレーション:水害予測シミュレーション、計算力学と地震予知研究:地殻変動過程/地震発生・伝播過程、原子力安全:安全解析の必要性/安全解析技術の変/今後の方向、航空宇宙:20世紀の航空宇宙分野における計算力学/20世紀末に起こっている変化/21世紀に向けて、電磁場と逆問題:電磁現象と逆問題、電子デバイス:単結晶育成過程/電子デバイス作成過程への適用/半導体パーケージへの適用/電子デバイス実装への適用、流体騒音解析の現状と今後の展望:解析方法の概要/流体騒音の解析例、二相流動機器:二相流解析の現状/今後の技術と課題]
索引

説明

計算力学という名の学問分野がいつ頃から認知されたかは必ずしも定かでないが、恐らくは、計算機利用が本格的に人工物設計や自然現象のシミュレーションに生かされるようになった1970年代であろう。すなわち、その当時、従来の応用力学(工学への応用を意識した力学と解釈される)から、コンピュテーショナル・インテンシブな部分が派生分化したのが計算力学であるといえる。従来の応用力学が、計算力学と実験力学、それに伝統的な理論力学に3分化していったことになる。もちろん、これら3者は競争的であると同時に、協調的な関係でもある。しかし、何といっても、驚異的ともいえる20世紀後半の計算機の進歩・発展に後押しされた計算力学の研究者・技術者への浸透にはすさまじいものがあった。1997年の日本学術会議17期においての大幅な第5部改編において、このような現実が配慮され、メカニクス・構造研究連絡委員会の中に計算力学専門委員会が発足した。この計算力学専門委員会の議論の中で、計算力学そのものの存在理由をはっきりさせておこうということになった。そこでわれわれが主として工学者の集まりであることもあり、“社会”との関連を追及することとした。このような背景のもとに本書はまとめられたものである。 本書は2部構成となっている。第1部「計算力学と社会との関わり」は、計算力学という学問分野がどのような社会性を有しているかを横糸的に眺めたものである。ここに書かれた内容は、各個人の意見というよりも、むしろ計算力学専門委員会からの表明である。一方、第2部「各専門分野における計算力学と社会的インパクト」は、それぞれの分野で計算力学がいかに使われ、また役立っているかについて、それぞれの専門家の個人的意見として執筆を依頼したものである。なお、ここで取り上げられた分野は極めて限られたものであり、実際にはこの数倍もの様々な分野で計算力学が関係しているのである。

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