目次
展望・総説・総論
階層構造物の健全性評価に関する研究紹介
豊橋技術科学大学 機械工学系 教授
河村庄造
豊橋技術科学大学 機械工学系 助教
田尻大樹
高解像同位体イメージングによる高温電極・触媒の反応場可視化と解析
東京科学大学 工学院 機械系 准教授
長澤 剛
エンドミル加工における予測と診断
室蘭工業大学 もの創造系領域 機械ロボット工学ユニット 教授
寺本孝司
上水道管ヘルスモニタリング技術の高度化を目指したガイド波の数値解析
東京科学大学 環境・社会理工学院 准教授
丸山泰蔵
新規固体潤滑物質としてのナノカーボン ―カーボンオニオンを中心に―
東京科学大学 工学院 教授
平田 敦
固相抵抗スポット接合法の原理と特徴
大阪大学 接合科学研究所 特任准教授
森貞好昭
大阪大学 接合科学研究所 教授
藤井英俊
連載講座
細い円柱形状物体に沿う流れの予測と制御(1)
層流と乱流の遷移条件
福井大学 工学系部門 工学領域 機械工学講座 准教授
太田貴士
福井大学 名誉教授
家元良幸
福井大学 工学部 機械・システム工学科
墨崎亮太
相変化スラリーの基礎と研究の最前線(3)
アイススラリーの流動特性
青山学院大学 理工学部 機械創造工学科
(教授)熊野寛之
(助教)森本崇志
特別講座:機械系大学院入試問題演習
(72)「材料力学:神戸大学2025年夏季実施より」
神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦
新刊紹介
陣内,亮典,1976- 豊田中央研究所
出版社:朝倉書店
定価:5,000円+税
発売日:2026年3月24日
ISBN:978-4-254-23588-3
工学・工業界ニュース
説明
巻頭記事
階層構造物の健全性評価に関する研究紹介
高層ビルに代表される階層構造物のどこかに損傷などの異常が発生した場合に、できるだけ早く異常発生を検知し、場所を特定し、原因を探ることは持続可能社会の実現のために非常に重要である。そのような技術を「状態監視と異常診断(Condition Monitoring and Diagnosis)」、「健全性評価(SHM:Structural Health Monitoring)」とよぶ(以下ではSHMとする)。そして構造物はさまざまな外力によって振動するので、振動を測定することで構造物の特性や、その変化を知ることができる。そのため振動現象を利用したさまざまなSHMの手法が研究されており、すでに多くのレビュー記事や書籍が公開されている。
また建築分野でも以前から多くの研究がおこなわれている。たとえば計測された振動データにランダム減衰法(RD法)を適用して特性パラメーターを同定し、その変化から健全性を評価する方法、振動データのパワースペクトル密度関数行列の特異値分解を利用する方法、剛性低下から損傷を検知する方法などである(比較的古いものを挙げているが、近年に至るまで、非常に多くの研究があることはいうまでもない)。
本稿では、著者らが、機械分野における振動工学の立場でおこなってきたSHMに関する研究をいくつか紹介する。
(a)壁面のひずみ測定を利用する方法
(b)階層間の伝達率関数を利用する方法
(c)仮想外力の同定を利用する方法
(d)畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を利用する方法
(a)から(c)の方法は、対象物の数学モデルにもとづく方法、(d)の方法はデータサイエンスを援用した方法ということができる。ここで著者らはSHMの第一目的を異常発生階層の特定としている。異常発生階層を特定した後で、たとえば感度解析などを用いて異常の程度を同定する。また一般的な建築構造物の場合、地上部分の建物の総重量を総床面積で割るとほぼ\((1\,\text{ton}/\text{m}^2\) 、家具や人間等は約\(80\,\text{kg}/\text{m}^2\)というデータがあり、各階の質量が有意に変化するような異常は考えにくいため、異常は壁のき裂や床面と壁面の結合の異常などによる剛性特性(ばね定数)の低下として現れるとする。
豊橋技術科学大学 機械工学系 教授
河村庄造
豊橋技術科学大学 機械工学系 助教
田尻大樹
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