目次
展望・総説・総論
金属3Dプリントでの結晶成長のフェーズフィールドシミュレーション
大阪大学 大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻 助教
大阪大学 大学院工学研究科附属異方性カスタム設計・AM 研究開発センター
奥川将行
連載講座
第7次エネルギー基本計画と再エネの動向(1)
エネルギー施策半世紀の系譜および電源構成の推移
明治大学 再生可能エネルギー研究インスティテュート
飛田春雄
生体機械工学(26)
融合分野における学習
工学院大学 工学部 機械工学科 名誉教授
橋本成広
カルマンフィルタとその周辺および応用(36)
非線形カルマンフィルタ(9)―ガウス型カルマンフィルタ(GKF)と等価線形化カルマンフィルタ(EqKF)
岡山大学 大学院環境生命自然科学研究科 非常勤研究員
和田光代
立命館大学理工学部 名誉教授
杉本末雄
応用ウェーブレット解析入門(3)
離散ウェーブレット変換と信号処理
神奈川大学工学部 准教授
藤ノ木健介
複合材料の力学入門(20)
拓殖大学 名誉教授
笠野英秋
特別講座:機械系大学院入試問題演習
(67)「材料力学:東京工業大学2024年夏季実施より」
神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦
一杯のコーヒーから(219)
機械学会年次大会2025―北海道大学に参加して
元 Consulting Prof., Stanford Univ
慶應義塾大学 (顧問)
福田収一
編集部だより
工学書・研究論文の執筆に必要な知識とスキル
編集部
新刊紹介
渋谷,恒司
出版社:森北出版
定価:2,600円+税
発売日:2025年10月24日
ISBN:978-4-627-92271-6
工学・工業界ニュース
説明
巻頭記事
金属3Dプリントでの結晶成長のフェーズフィールドシミュレーション
金属AMでは、PBFプロセスがもっとも普及している。PBFプロセスでは、造形ステージに金属粉末を敷き、3次元CADデータをもとにした2次元スライスデータに沿って熱源を選択的に照射し、金属粉末を溶融・凝固させる。その後、造形ステージを降下させ、再び粉末床を作成して熱源を選択的に照射するという一連のプロセスを繰り返すことで、3次元造形体が造形される。金属のPBFでは、熱源として主に電子ビーム(EB)またはレーザービーム(LB)が用いられる。EBを用いたPBFは、ISOでは「PBF-EB」、一般的には「電子ビーム積層造形」または「Electron Beam Melting(EBM)」とよばれ、LBを用いたPBFは「PBF-LB」または「レーザー積層造形」や「Selective Laser Melting(SLM)」などとよばれる。最近では、単に3D部材を造形するだけでなく、材料の微細組織制御のための研究が盛んにおこなわれている。
PBFプロセスでは、熱源照射によって局所的な溶融・凝固が生じる。この急冷凝固を数値熱流体力学(CFD)によって再現し、温度分布の時間的変化から冷却速度を評価した。その結果、溶融池内の各領域で\(10^6 \,\mathrm{K/s}\)程度の高い冷却速度条件下で組織形成が起こっていることが推定された。このような急冷かつ超大な温度勾配条件下では、優先成長方位である[100]方位が熱流方向と平行な方向に配向したデンドライト成長が起こり、その結晶成長方向は熱源スキャンストラテジーによって制御できる。例えば、レーザースキャンの向きを積層ごとに90°ずつ回転させながら造形すると、特定の方向にのみ結晶成長を促すことができ、単結晶材料の育成が可能になる。
大阪大学 大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻 助教
大阪大学 大学院工学研究科附属異方性カスタム設計・AM 研究開発センター
奥川将行
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