圧延百話

圧延の疑問と基本常識

7,700 (税込)

圧延技術の諸現象の物理的意義を詳細に解説。また近代的技術について、多くの課題を取りあげ、その現象の解析・解決の方法等を示す。

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著者:
判型 B5判
第1版
ページ数 596
発行日 2000/03/30
ISBN-13 978-4-8425-0053-9 C3053
ISBN-10 4-8425-0053-0
JAN 1923053070006
図書館: カーリル
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目次

序 論
第1話 この講座のねらい
第2話 圧延作業の巨大さ
第3話 圧延技術の革命
第4話 塑性加工の基本条件
第5話 素材加工の王座にある圧延
第6話 圧延変形の特性
第7話 圧延による幅広がり
第8話 圧延による幅広がり(続き)
第9話 幅圧下による材料の変形
第10話 厚板圧延の平面形状制御 ―正しい矩形に仕上げてクロップの削減―
第11話 プレスによる幅圧下   ―高生産の圧延ラインへのプレス復権―
第12話 エッジドロップ
第13話 エッジドロップの防止法
第14話 板材のクラウンと平坦形状
第15話 ロールへの熱の流入と流出
第16話 ロールの熱クラウン
第16話 ロールの熱クラウン(続き)
第17話 ロールの弾性歪
第18話 ロールの変形による板クラウンの制御方式
第18話 ロールの変形による板クラウンの制御方式(続き)
第19話 ワークロール曲げによる板クラウン制御の問題点
第20話 ワークロール曲げの効果
第21話 分割バックアップ・ベアリングによるロール曲げ方式
第22話 クラスター形圧延機のクラウン制御
第23話 ロールクロス方式によるクラウン制御
第24話 特殊プロフィンロールによるクラウン制御
第25話 クラウン制御特性の選択
第26話 溝付きロールによる圧延の不均一歪
第27話 溝ロール圧延への張力の影響
第28話 H形鋼の圧延の概要
第30話 ユニバーサルミルのロールの力学
第31話 H形鋼の寸法変更圧延技術
第32話 H形鋼の残留応力
第33話 圧延材の残留応力の除去
第34話 高圧下圧延
第35話 棒・線・形材の大圧下圧延
第36話 形材・棒材のタンデム圧延
第37話 ブロックミル圧延の諸技術
第38話 マンドレルミルによる管材の圧延
第39話 マンドレルミルの力学特性
第40話 ピアサー(穿孔傾斜圧延)の問題点
第41話 圧延機の剛性
第42話 圧延機剛性相当量の特性
第43話 圧延機縦剛性が圧延板材の肉厚変動の長さ方向分布に及ぼす影響
第44話 圧延機剛性値の最適値
第45話 圧延へに摩擦の功罪
第46話 圧延のトライボロジーの基礎知識
第47話 ソリュブル油のプレートアウト
第48話 ロール間隙への潤滑油の引き込み
第49話 圧延材の表面粗さ
第50話 冷間圧延油の試験方法の問題点
第51話 異材の合せ板圧延
第52話 圧着圧延
第53話 異材料の複合版の圧着圧延
第54話 圧延可能の最小板厚
第55話 異周速圧延の基本特性
第56話 異速圧延に付随して生じる材料の反り
第57話 異速圧延の特性の応用
第58話 巻付け異速圧延
第59話 プラネタリーミル
第60話 プラネタリーミルの圧延板の特徴
圧延技術の特殊問題 序説
第61話 板材の上下対称圧延は存在し得るか
第62話 ロールから材料へは鉛直方向の圧延力以外に水平方向の力も加わるか
第63話 あらかじめ接合した2本の材料の連続圧延問題
第64話 圧延ロール出口における上下曲がり
第65話 板圧延に現れるへリングボーン
第66話 クロスバックルの防止の基礎理論
第67話 冷間ピルガー圧延方式の長所短所
第68話 板材圧延の幅変更技術
第69話 幅圧下圧延と平圧延との組合せによる板幅変更技術
第70話 3方ロールおよび4方ロールの特徴
第71話 圧延の最大咬込み角度
第72話 溝ロール圧延の咬込み特性
第73話 ワークロールプロフィルの板クラウンへの転写
第74話 板圧延におけるチャター現象
第75話 板圧延におけるチャター現象(続き)
第76話 板圧延におけるチャター現象の原因の究明方法
第77話 圧延ロールに生じる熱応力
第78話 圧延ロールに加わる高圧力
第79話 3ロールプラネタリーミル
第80話 異材料の複合版の圧着圧延(続き1)
第81話 異材料の複合版の圧着圧延(続き2)
第82話 粉末からの圧延
第83話 圧延板材の蛇行と横流れ
第84話 ストリップ材のリール巻取り特性に関する考察
第85話 タンデム圧延作業のパワーカーブによる圧延条件設定
第86話 タンデム圧延の特性
第87話 タンデム圧延特性の理論的解析の考え方
第88話 異径ロールによる板材の圧延
第89話 圧延加工の消費エネルギー
第90話 厚板圧延の平面形状(第10話の続き)
第91話 圧延製品の残留歪と矯正(その1)
第92話 圧延製品の残留歪と矯正(その2)
第93話 長尺材の曲がり矯正および平坦不良矯正の実作業上の問題点(その1)
第94話 長尺材の曲がり矯正および平坦不良矯正の実作業上の問題点(その2)
第95話 矯正加工の各種技術課題の考察
第96話 矯正加工の各種技術課題の考察(続き)
第97話 板材圧延の生産性向上方策
第98話 板クラウン制御用各種圧延機の理論的性能の総括
第99話 圧延技術分野における新技術の開発
第100話 世界の頂点に立った日本の圧延技術
著者略歴

説明

本書は、圧延の理論や技術の類書とは異質の新方針で執筆した。今後も日本の圧延技術が世界の卜ップを維持し得るためには、このような第二段階の技術書が必要と信じて、著者の50年間の研究の経験と成果とを素材として10年の歳月を費やして書き上げたものである。

圧延の担当技術者として、日常作業の生産責任は果たせる段階に達しても、製品品質の画期的改善だとか生産性の倍増など、未知の領域に踏み込む命題に対応するとなると、専門的知識の大幅な不足を思い知らされる。特に、世界の水準を抜き去る次世代の圧延設備の計画を命令されれば、現在の最先端圧延技術の深い理解の上に、そのまた先の技術を考えなければならない。

現状以上の技術水準を碓立するためには、圧延の要素技術の外形を学び伝承して行く受動的姿勢ではなく、要素技術ごとに深く掘り下げて考え、その延長線上に新しい技術を開拓する前進的姿勢を普及させたい。この考えが本書を貫く著者の基本方針でもある。

したがって、本書は全巻を一貫した講義ではなく、各種のテーマを拾い上げて分析検討する構成を採っている。多数の開発と、研修会21年間の経験とを下敷にして、著者の圧延工学に抱く情熱を注ぎ込んだのがこの“圧延百話”である。数式に馴染まない専門の人達にも気楽に読めるよう、原則として式は使わないで技術の物理的な意味を文章で説明する方針を採用した。

なお本書の内容は、10年間にわたり月刊誌“機械の研究”に連載されたものである。

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