農業および園芸 2026年11月1日発売 第101巻 第11号

2,420円 (税込)

農学・農業上の新しい研究と実際増益に役立つ内外の新説を、迅速かつ正確に提供することを主眼に毎号、現在直面している話題を巻頭に、論説・総説・資料、実用記事、研究要報、外国文抄録、連載記事、新品種解説、ニュースなどを掲載のわが国唯一の農業総合誌です。最新知見の収集にぜひご購読下さるようお薦めします。

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この商品の発売予定日は2026年11月1日です。

判型 B5判
発行日 2026/11/01
JAN 4912073031163
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目次

口絵

季節の花〔200〕-11月の花 タイムハニーマータル,フラグミペディウム・コバチー,クフェア・ラベア‘スリラッチャ・ローズ’,イヌマキ(実),キヨスミシラヤマギク,ネオベンタミア・グラキリス

元 島根大学 生物資源科学部
細木高志

論説・総説・資料・実用

野菜などに対する酸素ナノバブル水灌水の効果に関する研究

園芸研究家
三浦周行

南米低地における熱帯ダイズ産業の動態
―遺伝子組み換え技術の人類学―

立命館大学衣笠総合研究機構客員協力研究員
後藤健志

ラジオアイソトープでみる植物中の水の動き

東京大学名誉教授・特任教授
中西友子

ピーマンの永年栽培による土壌生態系の構築
―線虫管理に向けて―

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
植物防疫研究部門
岡田浩明

農地流動化先進地域の農村集落における大規模借地経営の現段階

農研機構北海道農業研究センター
細山隆夫

高密度播種苗栽培におけるイソチアニル・フラメトピル箱粒剤の側条施用および育苗箱施用によるいもち病及び紋枯病防除効果

秋田県農業試験場
藤井直哉

なぜ灰色かび病菌は防ぎにくいのか
―多犯性病原菌の適応機構から考える新しい防除戦略―

名古屋大学大学院生命農学研究科
嶋悠希
芦田晃
川島みなみ
竹本大吾

DNAマーカー選抜で明らかにする水稲出穂期遺伝子の改変効果の変動

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究部門
堀清純

岡山大学 資源植物科学研究所
山本敏央

「アメリカ小麦戦略」論とは何だったのか
―日米両政府公文書から考える―

京都大学農学研究科 教授
伊藤淳史

連載記事

乳牛のためのミネラルとビタミン〔8〕
ナトリウム(Sodium)

信州大学 名誉教授
辻井弘忠

土壌還元消毒法〔1〕
土壌微生物の力を利用した病害管理技術

公益財団法人 園芸植物育種研究所
門馬法明

電子商取引を利用した農産物マーケティングの日中比較〔2〕
電子商取引で食品・農産物を購入する消費者の購買行動

名古屋大学
徳田博美

花の香り12か月
11月:ルクリア

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
野菜花き研究部門 露地生産研究領域
大久保直美

農界ニュース

説明

〔連載記事〕
土壌還元消毒法〔1〕
土壌微生物の力を利用した病害管理技術

土壌伝染性病害はときに壊滅的な被害を及ぼすことがある。その対策として、植え付け前の土壌消毒は必須の技術であり、とりわけ土壌くん蒸消毒は主に高付加価値作物の栽培において広く用いられている。しかし、土壌くん蒸剤は揮発性が高いため、意図しない漏洩により、人畜への健康被害や環境への悪影響を及ぼす可能性がある。このことから、世界的にみても、土壌くん蒸剤に対する規制は年々厳しくなってきている。これは日本国内においても例外ではなく、土壌くん蒸消毒に代わる技術の開発と普及が急務となっている。

このような背景の下で、土壌還元消毒はもっとも有望な代替技術の 1 つとして注目を集めている。この技術は、日本やオランダ、イスラエル、スペイン、アメリカなどで、その地域の条件に適した開発・改良がなされ、さまざまな土壌病原菌や植物寄生性線虫、雑草を制御する目的で使用されている。各国における開発の歴史や普及状況、作用メカニズムなどについて、Muramoto らの総説に大変よくまとめられているので、ぜひ参照にされたい。

土壌還元消毒法は、

(1) 土壌への易分解性の有機物の添加
(2) プラスチックシートによる土壌表面の被覆
(3) 圃場容水量を目安とした潅水

これらを組み合わせることにより、土壌環境の急速な還元化を誘導・維持する技術である。この過程において、さまざまな土壌伝染性病原や植物寄生性線虫の密度が低減することが報告されている。そのメカニズムとしては、有機酸や揮発性化合物、\(\mathrm{Fe}^{2+}\)や\(\mathrm{Mn}^{2+}\)などの生成、土壌微生物相の変化などが関与していると考えられている。

本稿では、土壌還元消毒の基本的な処理方法と効果の推定方法、メカニズム、そして長所や短所について解説する。

公益財団法人 園芸植物育種研究所
門馬法明

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