説明
世界における花の三大消費圏であるアメリカ合衆国、オランダを中心としたヨーロッパ、日本におけるバラ切り花生産は、発展途上国からの輸入の増加、切り花価格の低迷、消費者のし好の多様化などで、年々低下している。これらの先進国で新しく温室を建設してバラ切り花生産をすることは完全に採算が取れなくなっている。このような情勢のなかで、我が国のバラ切り花生産を発展させていくためには、高品質のバラを現在より低価格で供給しなければならない。このためにはバラの生理・生態を深く理解し、より好適な環境条件を与えて単位面積当たりの切り花本数を増加させる必要がある。本書はこのような観点から、著者の30数年にわたる研究と30回に及ぶ海外調査から得た情報、それに1万点を越える内外の文献・資料に目を通して得た知見を基にして、近代的バラ切り花生産を行う上で必要な技術をまとめたものである。執筆に当たっては苗生産、生理・生態、それに鮮度保持技術について力点をおいて記述している。本書はバラ切り花生産者、技術者、研究者、行政に携わる方々、さらにはバラ産業に関心のある方々を対象にして執筆したものである。
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