目次
展望・総説・総論
傾斜密度ラティス構造を用いたプレス金型の圧力分布変動の抑制
AGC株式会社 技術本部 先端基盤研究所
柳原一貴
早稲田大学早 理工学術院 基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科 教授
竹澤晃弘
適応と学習機能を有するサイボーグプラットフォームの開発と応用
電気通信大学 大学院情報理工学研究科
(教授)横井浩史
(研究員)矢吹佳子
(博士後期課程)井上祐希
(博士前期課程)中村裕哉
東京理科大学 工学部 電気工学科
(助教)山野井佑介
国立成育医療研究センター 小児外科系専門診療部 整形外科
(診療部長)高木岳彦
(福)日本心身障害児協会島田療育センター
(副院長)高山真一郎
プラズマアクチュエーターを用いた軸流ファン周りの流れと音響場の制御
豊橋技術科学大学 機械工学系 教授
横山博史
折紙パターンで生成される負のポアソン比構造における板厚傾斜の導入
(株)豊田中央研究所
富田 直
嶋貫研人
梅本和彦
複合材料の力学入門(19)
拓殖大学 名誉教授
笠野英秋
連載講座
ねじ締結の基礎(7)
ねじ締結体のトラブル対策
名古屋工業大学 名誉教授
萩原正弥
生体機械工学(24)
肺におけるガス交換と脈流
工学院大学 工学部 機械工学科 名誉教授
橋本成広
機械構造用金属材料の超高サイクル疲労(67)
7. VHCF–5~VHCF–7の10年間の研究動向(20)
立命館大学 名誉教授
酒井達雄
特別講座:機械系大学院入試問題演習
(65)「材料力学:東京大学2024年夏季実施より」
神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦
編集部だより
工学書・研究論文の執筆に必要な知識とスキル
編集部
新刊紹介
小原,照記
出版社:森北出版
定価:3,200円+税
発売日:2025年8月26日
ISBN:978-4-627-67751-7
今里健一郎 太田淳
出版社:株式会社秀和システム新社
定価:1,600円+税
発売日:2025年5月31日
ISBN:978-4-7980-7533-4
工学・工業界ニュース
説明
巻頭記事
傾斜密度ラティス構造を用いたプレス金型の圧力分布変動の抑制
近年では、付加造形技術や積層造形技術の進歩にともない、その工業分野への導入が急速に進んでいる。積層造形は、従来の鋳造、鍛造、切削加工では実現が難しかった複雑な形状を一体的に製造することが可能であり、金型制作の期間短縮や材料コスト削減の観点からその有効性が報告されている。さらに、設計最適化との組み合わせにより、部材単体で高い機能性を発揮できるため、「Designfor Additive Manufacturing(DfAM)」の概念が注目され、市場の拡大が進んでいる。
DfAMにおける有効なアプローチの1つとして、微細な格子を構造内部に適切に配置したラティス構造を活用することで、意図した機能を定量的に引き出す研究が報告されている。しかしながら、ラティス構造の詳細な設計を直接計算する場合、膨大な計算コストが必要となる点が課題である。
その解決策として、均質化法を用いてラティス構造を実効的物性値で置き換え、随伴変数法による感度計算と勾配法による最適化を組み合わせる手法が提案されている。このアプローチでは、ラティス構造を構造全体で最適化し、傾斜機能ラティス密度分布を実現できるとされている。
プレス金型において、ラティス構造は材料の制約を受けることなく、接触圧力の分布を低減する新たなアプローチとなり得ると考えられる。本記事では、筆者らが取り組んだ、プレス金型における表面形状の違いに起因する接触圧力の分布を、ラティス密度分布最適化と積層造形技術を組み合わせることで低減した研究について紹介する。具体的には、金型内部にラティス構造を導入し、その分布を傾斜機能ラティス密度分布最適化手法によって調整することで、金型内部の剛性分布を最適化し、プレス時に発生する接触圧力分布の低減効果を検証した内容を詳述する。
AGC株式会社 技術本部 先端基盤研究所
柳原一貴
早稲田大学早 理工学術院 基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科 教授
竹澤晃弘
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