[農環研シリーズ] 
農業におけるライフサイクルアセスメント
 
 
 
農林水産省農業環境技術研究所編
 
 
■定価 (2,400円+税)
■A5判125頁
■別途送料がかかります。送料はお問い合わせ下さい
■発行年月  2000.3.21
■ISBN 978-4-8425-0064-6
 
 
■概略
農業生産活動が環境に与える影響評価を解説。農業環境研究所にLCA手法を導入する重要性を説く。
 
 
■解説
今日、産業活動や日常生活など多様な人間活動によって加えられる環境への負荷を軽減することが、様々な場面で求められている。近代農業は化石エネルギーへの依存度を高めることによって収量を飛躍的に増加させたが、化石燃料の使用は二酸化炭素等を排出し、環境への負荷を増加させる結果となった。さらに農耕地では、水田や家畜によるメタンの排出、施肥窒素やふん尿由来の亜酸化窒素の排出なども認められている。また、硝酸性窒素やリンなどによる水質の汚染、肥料・資材由来の重金属など、農業活動による環境への影響等、集約的農業の進展に伴って農業から排出される様々な環境負荷が指摘されている。企業が商品を製造し、それが消費される過程で、環境に対しどの程度の影響を及ぼしているか、それをよりよく把握し削減するための手法開発に世界が関心を持っている。この手法にライフサイクルアセスメント(LCA)がある。国際標準化機構(ISO)により、1997年に「ライフサイクルアセスメント(LCA)−原則及びフレームワーク−」が示された。これは、製品等の原材料の採取から、製造、使用およびその処分に至る生涯を通じての環境影響を調査する技法であるLCAについて、その調査の実施および報告の作成にかかわる原則ならびに枠組みを提示したものである。従来の環境アセスメントが環境への負荷が発生する各段階での影響評価であったのに対し、LCAは資源の利用や環境への影響を総合的に考え、製品の原材料の採取から、製造、使用、処分に至るライフサイクル全体を通して環境影響評価を行い、製品の開発・改良・企画戦略、公的政策立案などに適用することを目的としている。わが国においても、ISOの基準に則って産業活動を行う企業が増加しているが、こうした考えを農業にも導入することが環境保全型農業の確立にとっても必要である。従来のように環境への負荷を評価するのみではなく、農業における環境へのプラス効果も考慮した統一的な評価手法が極めて重要である。こうした視点から、農業環境研究においてもLCA手法を導入し、これらの問題の解決を図ることが求められる。
 
 
■要目
[要目]I. ライフサイクルアセスメントとは何か(1. はじめに、2. LCAの一般的手法、3. LCA研究および実施の現状、4. 企業でのLCAの活用、等)、II. 農業のLCAに対する社会的期待(1. はじめに、2. LCAにかかわる歴史的経緯とその方向、3. 農業を取り巻く環境変化と新たな展開、4. 農業のLCAに対する社会的期待、等)、III. 個と環境が活きるISO14001(1. はじめに、2. 会社および工場の概要、3. ISO14001をベースにした北陸工場EMS、4. 北陸工場EMS構築の成果、等)、IV. LCAへの取り組み・問題点(1. はじめに、2. 農業分野におけるLCA手法適用の試み、3. 農業のためのLCA手法の開発、等)、V. 稲作における投入資材およびエネルギー(1. はじめに、2. 稲作における投入資材とエネルギー、3. 稚苗移植栽培のモデルによるエネルギー消費と二酸化炭素の発生、等)、VI. 水田における温室効果ガスおよび水質に関するライフサイクルアセスメント(1. はじめに、2. 投入資材とその環境への影響、3. 農耕地におけるライフサイクル、4. 水稲作におけるライフサイクルフロー、5. 地球温暖化への影響に関するLCA、6. 水環境への影響に関するLCA、等)、VII. 水稲栽培における農薬利用に伴なう環境影響評価(1. はじめに、2. 水田中の農薬濃度変化予測モデル、3. 異なる水稲栽培体系での農薬環境負荷量の推定、4. 水生生物に対する農薬の影響評価、等)、VIII. 肉牛生産のLCAと環境影響評価(1. はじめに、2. 自動車と肉牛のそれぞれのLCAの比較、3. 肉牛生産に関するシステム、4. 自給飼料と輸入飼料、5. 肉牛繁殖、6. 肉牛肥育、等)、IX. 肥育牛のふん尿堆肥化におけるエミッションのLCA(1. はじめに、2. 肥育牛のふん尿処理、3. LCAの目的および調査範囲の設定、4. インベントリ分析、5. インパクト評価、等)