新農業環境工学
−21世紀のパースペクティブ−
 
 
 
日本生物環境調節学会編
 
 

■定価 4,620円 (本体価格 4,400円)
■A5判 274頁
■送料 340円
■発行年月 2004年3月
■ISBN 4-8425-0359-9

 
 
■概略
新しく発足した「農業環境工学」の現状と将来を分析してその概要を述べ、更に重要語を解説。
 
 
■解説
 日本学術会議は我が国の科学者コミュニティーを代表するカウンシルであり、第19期の現在、第20期の大改革に向けて、法改正の最中である。
第18期においては、従来法に沿って運営されており、第1部から第7部までに学術分野が区分され、その第6部(農学)に関連する26の研究連絡委員会(以後研連と略記)が参加している。各研連にはさらに幾つかの学協会が参加している。農業環境工学研連は農業工学専門分野の4研連の一つであり、日本生物環境調節学会、日本海水学会、日本農業気象学会、農業施設学会、日本植物工場学会、生態工学会、農業情報学会の7学会が登録している。水圏を含む自然環境から人為的な調節による環境に於ける生物生産プロセス、ポストハーベストプロセス、そしてそれらの情報循環を含む多岐にわたる発展性の大きな専門分野である。
文部科学省は平成15年度から科学研究補助金分科細目の統廃合を実施し、従来の農業機械学と生物環境の2細目が「農業環境工学」に統合された。農業環境工学は農業機械学関連の専門領域を含む場合があることを記憶する必要がある。
本研連は2000年11月に本研連は第18期の活動目標の一つとして、食糧・環境問題へ視点を置いたシンポジウム「21世紀の食糧・環境問題への農業環境工学の貢献」を企画し、2002年4月に実施した。第I部はこのシンポジウムに基づく話題を収録している。
第II部は、双書として刊行される「新農業情報工学」のパースペクティブに足並みを揃え、80余の項目を取り上げた。農業環境工学の全域を小冊子に網羅することは不可能であり、ここでは「日本生物環境調節学会」に俯瞰的視点を限定した。学生・院生、並びに研究者の新たな情報循環を喚起出来れば幸いである。
(序文より)
 
 
■要目
第部 学術会議シンポジウム
「21世紀の食糧・環境問題への農業環境工学の貢献」から
シンポジウムの企画編集にあたって
環境工学の現状と将来(1. はじめに:2. 「農業環境工学」研究連絡委員会とは:3. コンセプトの例とその重要性:4. 文部科学省の科学研究補助金との関わり:5. 例として日本環境調節学会における21世紀の学会理念再構築とその背景:6. 日本学術会議第18期の活動計画と「農業環境工学」研連の課題:7. 農業環境工学の今後の学術の俯瞰的視点
閉鎖型植物苗生産システム
1. はじめに:2. 開放型生産システムと閉鎖型生産システム:3. 閉鎖型苗生産システムの提案:4. 床面積当たりの生産性は温室の7倍以上になる:5. 閉鎖型植物生産システムの特徴:6. 苗以外の植物生産は可能か:7. 千葉大学における閉鎖型植物生産システム:8. おわりに
不定胚培養による苗生産と培養環境制御
1. はじめに:2. 不定胚形成:3. 不定胚培養による大量苗生産:4. 不定胚培養の環境制御
食のアメニティーに関する先端技術の展開
1. 食品産業の緊急課題:2. 食品感性工学の役割〜消費者起点産業へのパラダイムシフト〜:3. 食のアメニティーと感性科学の発達:4. 食品感性工学の提唱:5. 視覚センサ〜画像処理技術〜:6. 味覚センサ〜近赤外分光法とバイオセンサ〜:7. 嗅覚センサ:8. おわりに
生物生産へのバイオメカトロニクスの応用−バイオチップデバイスへの応用−
1. はじめに:2. マイクロ化学リアクター:3. 静電マイクロマニピュレーション:4. 静電マイクロマニピュレーションによるマイクロ化学リアクター:5. 液滴型バイオチップデバイス:6. おわりに
環境工学における一つの学術基盤とその展開
1. 植物生理工学:2. 農業知能工学:3. システムズアプローチの導入:4. 重要課題:5. 展開例:6. おわりに
森林の三次元リモートセンシング
1. はじめに:2. 航空機SLによるリモートセンシング:3. 可搬型SLによるリモートセンシング:4. おわりに
砂漠化問題への取り組み−主に中国の砂漠化−
1. はじめに:2. 世界の砂漠化状況:3. 中国の砂漠化状況:4. 中国の砂漠化防止対策:5. 中国乾燥地での砂漠化対策:6. 中国乾燥地の気候特性と防風施設による気象改良・砂漠化防止:7. 中国の砂漠化に関連する砂丘の移動特性と黄砂の発生特性:8. あとがき
温暖化の農業への影響
1. はじめに:2. 温室効果ガス排出シナリオ:3. 温暖化影響の概要:4. 農業への影響:5. あとがき
閉鎖生態系の物質循環
1. はじめに:2. 温暖化とエネルギー消費:3. 物質循環と気候変動:4. 核使用済み燃料の再処理:5. 農業生態系における14Cの循環:6. CEEFのシステム構成:7. 閉鎖生態系内の物質循環システム要求:8. 循環型社会のモデルとしての閉鎖生態系:9. おわりに
人口・食糧・環境・原子力

第部 生物環境調節の21世紀のパースペクティブ―生物環境調節に関する82項目で描くそのパースペクティブ―
環境に対する植物反応
高CO2:強光と弱光:光質:光周期:大気汚染物質:有害化学物質:重力:屈性:気圧:環境ストレスと遺伝子発現(〜1. 遺伝子発現およびタンパク質の機能化〜):環境ストレスと遺伝子発現(〜2. 水ストレス順化機能〜):環境ストレスと遺伝子発現(〜3. 高温耐性および低温順化〜)
植物生体情報の計測と診断
「生体情報の計測」の四半世紀:クロロフィル蛍光計測による光合成機能診断:生物科学における分光計測の応用
植物体内水分の計測(〜1. 細胞および組織のポテンシャル計測〜):植物体内水分の計測(〜2. マイクロウェーブによる計測〜):植物体内水分の計測(〜3. 核磁気共鳴による計測〜):転流の計測:NMR−CTによる師管流および道管流の計測:共焦点レーザ走査蛍光顕微鏡による細胞の生理計測:遺伝子発現解析による環境ストレスの検出:マイクロアレイによる生体分子のスクリーニング:質量分析による生体高分子の同定および構造解析(〜1. MALDIおよびESI〜):質量分析による生体高分子の同定および構造解析(〜2. MS/MS分析):フーリエ核磁気共鳴によるタンパク質高次構造の決定:生物科学における電子スピン共鳴の応用:植物の三次元画像計測:画像計測・処理による苗品質の情報化:画像解析による培養細胞の分類および成長計測:収穫物の非破壊品質評価:リモートセンシングによる作物、植生計測:植物生態系−大気間のCO2フラックス測定
環境制御と要素技術
光質制御による生育調節:光周期制御による発育調節:DIFによる草丈調節:空気組成の制御による生育調節:機能水の有効利用:育苗用冷陰極蛍光ランプ:半導体素子による間欠照明
新しい生産技術・実験施設
植物を利用した有用物質の生産(〜1. 工業原料の生産と利用〜):植物を利用した有用物質の生産(〜2. 製薬産業などへの展開〜):培養液の制御:宇宙ステーションの微小重力植物実験装置:住環境の緑化:環境保全型環境調節:自然エネルギー利用のための環境教育・研究施設:植物を利用する環境修復および環境緩和
生物環境調節の新展開
質量分析および量子化学の応用:インシリコバイオロジー:農作物生長シミュレーション:高CO2濃度下の農作物生長シミュレーション:植生モデルを用いた温暖化時の植生影響予測
境界理工学の俯瞰的話題
SPA:システムの同定と制御:人工知能を応用するシステム制御:バイオインフォマティクス:コンピュータ工学:画像工学:ナノテクノロジ:メカトロニクスおよびバイオロボティクス:植物工場:生物工場:ポストハーベスト工学および農産施設:食品工学と食品安全工学:生物資源循環工学:精密農業:農業情報工学
農業基盤工学〜塩類集積回避の観点から〜
生態工学〜熱帯泥炭湿地林を事例として〜
土壌物理学:農業気象学
関連農学の俯瞰的話題
作物学〜スーパークロップへのアプローチ〜:生物の環境調節と園芸生産との関わり:造園学:林学:植物栄養学・肥料学と環境問題:植物育種学:植物病理学:生物的防除:農作物の気象災害:土壌植物大気連続体